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第111話

気持ち良い。 すべてが、気持ち良い。 セックスも、触れている箇所も、何かもが気持ち良い。 「ぁ…、ぁ……」 後ろに倒れそうな細い身体を抱き締め、長岡は自分の精液を体内に塗り付ける。 貪欲なマーキングをされると嬉しい。 もっとがっついて欲しいと思う。 貪欲な性。 あさましい自分。 そんな自分を受け入れてくれる愛おしい人。 「ま…さ…」 回らない呂律で名前を呼ぶと易しく頬から耳、そして後頭部を撫でれながらキスをされた。 長岡はキス魔だと思うが、それは自分もだ。 長岡とのキスはとてもしあわせで何度しても最初の頃と変わらない。 「ぷ、はっ…ぁ…ァ"ァ"」 粘着質な水音が響く室内は精液のにおいでいっぱい。 「はると、」 何度もキスを繰り返し、体位を変えセックスをして、ぐっちゃぐちゃに交わっていく。 汗と精液と潮と唾液と、長岡以外は嫌だと思うそれらに塗れて喜ぶ三条を長岡は愛おしそうに目を細めて見ていた。

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