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第112話
先にシャワーを浴びた三条の姿が見当たらない。
だけど、何処にいるかなんてすぐ解る。
シャワーを浴び直した長岡は頭をがしがしと拭きながらベッドに腰掛けた。
「遥登」
「…………やっぱり、名前が良いです」
「ん、悪かった。
遥登」
ふとんの上から頭があるであろう部分を撫でる。
相変わらずのこの姿はホテルでも見られるのか。
飾らない姿が見られて嬉しい。
撫でたり擦ったりしていると白い手がふとんの隙間から伸びてきた。
それに、自分のものを絡める。
シャワーを浴びた後だが、やっぱり三条の方があたたかい。
「許してくれるか?」
絡まる手に力が入った。
「ありがとな」
「…俺も、先生って呼びました」
「ん、ずっげぇ興奮した」
「……えっち」
それは可愛い恋人のせいだ。
「遥登」
「はい」
「制服、また着てな」
「……考えておきます」
クスクス笑うとテレビを点けた。
今日はオールスター戦だ。
浴室に設置されたテレビはまた次回にしよう。
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