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第197話
長岡から教えてもらうと、ややこしい問題もすとんと理解出来る。
これは、長岡が言葉を変えて教えてくれるからだ。
長岡自身がその問題を咀嚼し理解しているから出来る事。
並大抵の事ではない。
同じ問題でも、三条と田上、吉田に説明する時に言葉を変える。
相手が1番理解しやすい言い回しを使う為。
やたら難しい事を使わず、時に若い子が使う言葉を混ぜる事で身近な事として考えさせてくれる。
「そっか」
「解ったか?」
「はい。
ありがとうございます」
長岡が教えてくれた事をメモし後から見返せる様にしている間、長岡はふと表情を崩したのを三条は知らない。
「あと解んねぇ問題あるか?」
「これも良いですか。
ここの文法なんですけど」
懐かしい空気を2人は懐かしみながら勉強に夢中になっていく。
ここは?こっちは?
考え方を教えてください
1つひとつ丁寧に教えられ、メモが増えていく。
参考にこれを読むと良い、これは今度実家から参考書を持ってくる。
数年前と数年後が交じわるまで、いや、交わってもこの関係は変わらない。
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