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第196話

「あと、ここはこれで大丈夫ですか?」 「んー。 ん、大丈夫。 ちゃんとポイント抑えてる」 三条の理解力は高校時代と変わる事なく驚かされる。 理解力があり、応用力もある。 それを咀嚼し誰かに伝えるのも上手い。 きちんと自分の意見を持っているのも安心だ。 一見流されている様にも見えるが、三条は頑固で曲げないモノを持っている。 卒業式後のホームルームで話したモノ。 「あ、ここ、難しいだろ。 ここな…」 何時もふわふわしている三条は真面目な顔で話を聞き始めた。 何時もみていた顔。 授業中、こっそりと眺めていた顔がすぐ隣にある。 小さな事でもメモを書き込み、自分の中に取り込む。 三条の夢は小さな事でも自分の頭に入っていた方が良い。 覚えた事を自分の言葉に出来れば満点だ。 「解ったか?」 なんて聞かなくても分かる。 真剣な顔はどんどん表情を変え、楽しそうな色を浮かべた。 知らない事を知れる楽しさに取り憑かれた三条は子供の様な吸収力をフルに使い、何時か追い越されそうだ。

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