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第219話
「水分摂れよ」
「ありがとうございます…」
さっきのがっつきはどこにいったのか休息をくれる。
マグの中は冷たい麦茶。
火照った身体にスーっと染みていく。
隣で長岡もマグを傾けていた。
ローションや首輪が転がるベッドに恋人と並んで麦茶を飲むなんて思いもしなかった。
三条がマグをサイドチェストに置くと待ってましたとばかりに、ぐいと後頭部を捕まれる。
そして、一瞬あの目が見えた。
「ぇ、」
キスをすると変な味がした。
なんだろうと思う間もなく、流れ込んできたソレを嚥下する。
「なに…。
あまくてからい…舌、喉ぴりぴりする…」
「飲むてんが。
確かに上手くはねぇな」
「てん…が……」
あの、てんが?
使わなくたって知っている。
「遥登、これすげぇんだぞ、
蠍と蟻と馬の心臓入ってんだってよ」
「蠍…」
腕に抱き付き長岡を見上げる三条はまた下半身が元気になってきていた。
プラシーボ効果なのかそれとも本当に効いているのか判別はつかないが、この状況に興奮しているのは確かだ。
そして長岡はそんな三条につられている。
「若けぇな」
「これは、整理現象です…」
「ま、そんな飲んですぐ効果出ねぇよな。
遥登がやらしいから、だろ」
含有物のせいか腹がポカポカする。
だけど、こんなのお遊びだ。
解っている。
解っていて、それ楽しむ。
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