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第286話

「はぁ…、子供体温最高」 ベッドの中で恋人を抱き締める長岡はご機嫌だ。 頭や目蓋、額に沢山のキスが降ってくる。 キスも勿論、ふとんに染みた長岡のにおいも本物の長岡のにおいも三条の口端を上げる為のものだ。 「擽ったいです」 「気持ち良いの間違いじゃなくて?」 「気持ち良いですけど、目蓋は擽ったです」 「遥登、敏感だもんな」 「違います…」 枕になってる腕に頬をくっ付ける三条が可愛くて仕方がない長岡は嬉しそうに笑いながらキスをやめない。 それが嬉しくて三条の尻尾はぶんぶんっと揺れる。 こんな顔をするからやめてもらえないんだ。 やめて欲しいとも思わないが。 「ほんと、遥登はあったけぇな」 「寒いですか?」 「ん、大丈夫。 今日は遥登がいてくれるからな」 毛布にくるまっていればあたたかいが、体温の低い長岡は寒いだろうか。 本当に寒くないかと背中に手を回して空気が入ってきてないか調べる。 「大丈夫だって」 「風邪ひいたら会えませんよ?」 「じゃ、あっためてもらお」 きつく抱き締められ笑顔が咲き乱れる。

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