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第314話

キツく抱き締められると同時に長岡は息を詰めた。 「…っは、きもち…」 ドクドクと自分以外の脈を感じながら呼吸を整える。 喘ぎっぱなしで喉が痛むが、そんな事より酸素が欲しい。 犬のように荒く呼吸を繰り返す。 「はると…」 やっと頭に酸素が届いた頃、また長岡の腰が揺れ始めた。 まるで腸内の精液を塗り込める様にねちっこくいやらしく。 「まだ、付き合えるか」 「はい…、ん」 「じゃ、もっとえろい声聴かせてくれ」 嬌笑を浮かべる男に被虐の色が濃くなった。 溶けたのは思考だけじゃなくて身体もだ。 もう長岡のいない世界なんて有り得ない。 どうやって過ごしていたかさえ思い出せない。 自分のすべてだ。 三条から顎にキスをすると腰の動きが激しさを増し、暑くなった長岡は上着を投げ捨てた。 自分の貧相な身体とは違い逞しい身体にまた欲情する。 「…まっ、ぁ…すきっ…す…き…んぅッ」 「遥登…はる、」 精液だが汗だが分からないものに塗れ、ぐっちゃぐちゃに交わり続けた。 もう何も考えられない。 ただ、長岡が好きだと 愛してると分かるだけ。 「まさ…、ぁ……あっ」 「遥登…」 長岡の下腹部に伸ばした手でもっとと強請る。 もっと、貪欲になって欲しい。 もっと、ぐちゃぐちゃになりたい。 「やべぇ、全然萎えねぇ…」 「も、ろ……ほ…し」 「あぁ、もっとだ」 奥歯を噛み締め快感を与えてくれる恋人が愛おしくてたまらない。

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