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第322話

頭から熱いシャワーを浴びる。 マドレーヌとあたたかなお茶で腹は満たされたが、冷えた身体を暖めるには時間が足りなかった。 寒くて早く湯船に浸かりたいが、まずは身体の汚れを落とさなくては。 目の前の鏡に映る裸体は自分の目から見てもいやらしくて、まっすぐに見る事が出来ない。 だけど、赤が嬉しい。 長岡の使っているボディソープを赤ちゃんも使えるそれで上書きをしていく。 寂しくもあるが、身体中を舐められて以降清めていないので洗わない訳にもいかない。 本当は汚ないなんて思っていないし、長岡のにおいが消えてしまうのは寂しいけど。 いっ、てぇ… うわ… 脇腹やば 真っ赤 鼠径部に着く真っ赤な歯型は皮が薄く向け、石鹸が滲みた。 ヒリヒリと痛むが痛みさえ愛おしい。 なんて、ベタ惚れ過ぎだろうか。 泡を塗り広げながら思い出す今日の長岡は色っぽいものが多い。 どれも溜め息が出る程格好良い。 惚けてしまいそうなのを頭からシャワーを被って流した。 た、勃ちそうだった… あれだけ身体を重ねても若い身体は快感を拾う。 まだ背中に泡が少し残ったまま湯船に沈み、独占欲の喜びを密かに噛み締める。

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