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第349話

四つん這いで覆い被さり、ローションボトルに手を伸ばす長岡から良いにおいがしてくる。 長岡のにおいだ。 素肌からそんな良いにおいがするなんて神様は何物を与えれば気が済むのだろうか。 「ん? 首輪いるか?」 「え…」 「持ってろよ」 手渡された首輪にキョドりはじめた。 自分で首に巻き付ける食べきのか、持ってろと言われた通りに持っていれば良いのだろうか。 多分、正解なんてものはない。 長岡はどっちでも構わない筈だ。 冷たい合皮のそれを握るとじんわりと体温が染みていく。 「冷たかったら言えよ」 半分程にまで減ったそれを手の平に出すと体温であたためる。 「今度、温感ローション買っとくから使おうな」 「おん、かん…」 「そ、あったけぇやつ」 悪戯気に細められる目にドキドキしてしまう。 男の色気だけじゃない。 最近は大人の色気って言うのかすごくえろさが増した。 「ほんと、遥登って好奇心旺盛だよな。 だから頭良いのか」 言いながら、にゅーっと人差し指が入り込んできた。 「…ッ」 「唇噛むなって。 切れたらどうすんだ」 「んぅ…」 べろっと唇を舐める長岡はやっぱり優しい。

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