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第356話

グッと腰を掴む手に力が入ったと思ったら強い力で引き寄せられた。 グリリ…と奥を抉られ背中が撓る。 目の前の男に補食されたいと思ってしまう。 同性に、それも元担任に。 だけど、そんなもの関係なく俺は正宗さんが大好きだ。 大好きなんて言葉じゃ足りない。 愛してる。 俺の全部を擲ってでもしあわせにしたい。 俺の、最愛。 「やべぇ、すげぇきもちい」 仕込まれたローションが大きく張ったカリによって掻き出されていく。 プジュッと空気を含んだ恥ずかしい音がした。 恥ずかしい。 だから、長岡とだけ。 こんな恥ずかしい姿を晒しても長岡は愛してくれる。 それが、どれ程自分の力になっているか恋人は知らないだろう。 「すき…、すき、です……」 「俺も遥登が好きだよ。 愛している」 「…まさ、むねさ」 優しく微笑む綺麗な顔が歪む。 違う。 歪んだのは視界の方だ。 「すげぇ愛している」 ボロボロ涙を溢しながら目の前の首に腕を回して顔を隠した。 この言葉を聴くのは4回目だ。 なのに、まるではじめての時の様に嬉しくて涙が止まらない。 「ま、さ…」 「遥登、愛してる」 優しい声とは真逆に腰使いは男のそれで翻弄されていく。

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