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第682話
小さな画面で次々と流れていく言葉を聞き逃さない様にメモしていく。
いつもとやり方が違って少し手間だと思う事もあるが、勉強は楽しい。
勉強が出来る事が嬉しい。
勿論、そこにも暗い影が落ちているのを三条は知っている。
三条自身、今はバイトが出来ず今は貯金を少し崩しながら親に甘えている状態。
申し訳ないという言葉は飲み込んで、一 人前に仕事が出来る様になったら絶対に恩を返そうと誓った。
それに、出世払いの約束もある。
…でも、本当は夢を叶えられるのか不安だ。
前期がオンライン授業なら3回生の教育実習はどうなる。
今年度実習出来なかったら、来年度実習予定の自分達に影響があるのではないか。
考え出せば不安ばかりが浮かんでしまう。
長岡の背中が遠ざかっていくのを、ただ見ている事しか出来ないのか。
だけど、分からない未来なら明るい未来を思い描いていたい。
もしそうならずとも構わないから、長岡の隣にいる未来を。
質問したい所に付箋を貼り付け、後から長岡に聴くとして不安な回線が心配だ。
なんだか動きが止まったりしてきた。
これ、大丈夫なのか…?
いきなり落ちたりして…なんてな
そんな事を思っていると本当にそうなりそうなの意識をカメラの向こうにやる。
折角の授業、他の事を考えていては勿体ない。
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