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第1258話

一瞬、長岡の言った事が理解出来なかった。 「え…」 アナルも焦らす…? この状況でまだ焦らされる……? 『喉カラッカラに乾いてから飲む水は更に美味いだろ? なら、ちんこもすげぇ良くなんじゃねぇの』 持久走後の水分はとても美味しい。 腹がペッコペコに減ってから食べる食事はとても美味しい。 知らず知らずの内に生唾を飲み込んだ。 待ては長ければ長いほど、美味しい。 とろんとする目に長岡の笑みも変わる。 恋人がサディストなら、自分も大概変な癖がある。 人はそれをマゾヒストと呼ぶ。 「そ、れ……は………」 『遥登が言わなくても、ちんこがしてぇって。 見てみ。 してぇってよ』 犬の尻尾のように揺れる陰茎を揶揄された。 そんな事を言われても、動くのを止められない。 恥ずかしいなんて言葉では足りないとはこの事だ。 『いきなりじゃ痛てぇだろ。 ローション指先にとって撫でてみ。 ゆっくりな』 「は…い…」 パウチをしっかり握り封を切る。 たったそれだけだ。 そんなのカップ麺を作る時だってする動作でしかないのに、こんなに胸が早鐘を打つ。 その粘着質な雫を指に絡め、また長岡を伺う。 「…触り、ます」 『どうぞ』 トンッと触れた指を後孔は銜えたいとばかりにヒク付いた。 自分の意志なんて関係なくはしたなくうごくソコに全身がアツくなる。 『ほら、もっと』 トン、トン、と触れローションを纏わせ、次は塗り広げていく。 肉の感覚がヌルヌルしていて卑猥だ。 そんなところを見せ付け、あまつさえ自慰行為を見せ付けているなんて頭が沸騰しそうだ。 オナニーを見せ付けてだ。 長岡に見てもらえている。 これからバイブを銜えられる。 陰茎もだ。 その期待に興奮を覚えるなんて、なんてあさましい身体だろう。 本当に恥ずかしい。 だけど、それ以上に興奮している。 内腿の筋肉がピクピクと動くがそんなの気にならない程に。

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