3 / 8

第1話ここから始まる俺の物語!

「あーあ、暇だなぁ」夏休みが始まってまだ、2日目。だというのに、もうやることがつきてしまった。宿題をすれば良い?やりたくない。友達と遊びにいけば良い?そんな友達いるわけがない!……こちとら12歳と7ヶ月にしてオタクのゲーマーでぇい!なんか、悲しくなってくる。 「あーもう、暇暇暇!なんかないかなぁ……」めぼしいゲームは全て攻略済み。漫画だって読み飽きた。 (こりゃあいよいよ、宿題でもやるしかないですかね)そう思って机に向かってみたものの、俺の集中力はものの数分で逃げ出してしまった。 「うーん、なんかもっとこう……エキサイティングなことないかなぁ」と、机に突っ伏たまま呟く。そこに……ピコンと電子音が鳴り響く。隣においてあるスマートフォンからの通知だ。(お、新作のゲーム情報でも出たのかな?)と思い開いてみる。ホーム画面には見たこともないアプリが存在していた。題名には『クリスト』と書かれていた。(なんだこれ?)そう思いつつアプリを開いてみる。本来ならこういう類いの不審なアプリ等はウィルスに感染する経路となりうるので、即刻削除すべきなのだが、暇をもて余していたのと、これが聞いたことのない未知のアプリだったために好奇心が勝った。少しの待ち時間のあとにゲームが起動する。同時に「クリストへようこそ」と無機質な音性が告げた。 そしてチュートリアルが始まった。と、言ってもオープニングロールが流れただけだったが。 短いオープニングが終わりまずはキャラメイクからだった。 「さて、どうしますか」キャラメイク、文字通りキャラクターをメイクする(作る)というもの。これによって大体の印象が決まってくる。可愛くするか、格好よくするか……なんとも悩ましいところである。とりあえず強そうなキャラを作ってみることにした。作成する事およそ15分なんともすごいキャラが出来上がった。身長は210㎝、身体は筋肉の鎧におおわれていて、片手には身長ほどもある大剣を軽々と持ち上げている。さらに背中にはいかにもな悪魔の翼、狼のような尻尾も生えていて、喧嘩を売るやつは絶対にいないだろう。 ……うん、作り直そう。 一度設定をクリアにして再び作り始める。 また15分程たっただろうか、先程とはうってかわってなんとも可愛らしいキャラクターが画面にちょこんとたたずんでいる。「ぅおおおおおおおお!!くっそ可愛い!なにこれ!なにこれ!」画面にいるキャラの愛らしさに1人興奮する。 ソイツは身長140㎝程度、ほどよい筋肉の付きぐあいでキメの細かい髪と大きな目の色は鮮やかな緑色、成長を見越したブカブカの服がたまらなく可愛い。ヤバい可愛すぎて死にそう。 そう、何を隠そう俺は同性愛者だ。しかし、興味があるのは10~12才くらいの同い年の子供だけだ。……実はこれが原因で、とある事件を起こしたのだが、それはどうでもいい。オタクでゲーマー、更には同姓愛者ホントに救いようがない。(……なんか悲しいな) それはともかく、キャラは決まった。次は「仲間のキャラを選ぶこと」とのこと。最大で二人まで選ぶことができるらしい。既に出来上がっているキャラクター達を眺める。おっさんは論外。ということで、ショタに焦点を絞っていく。(つっても、俺も現役のショタなんだけどな……。)なんて思ったり。好みの子が二人ほど見つかったので仲間に選ぶ。ふむふむ、名前は犬神力人と清水知聖か。この二人がドストライクだ。 二人を選択し決定のボタンを押すと、「メインストーリー入りますか?yes/no」の文字が大きく写し出される。もちろんyesっと。 ボタンを押すと画面から光が溢れ出て俺の体を包み込む。そうして俺こと風谷勇助は姿を消した。

ともだちにシェアしよう!