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出逢い(1)prologue

 深い深い森の奥。  誰も訪れる事もないその場所に、美しいライトブルーに染まる花畑が広がっている。 「ああ……今年も綺麗に咲いたよ、アンジュ。君の好きなネモフィラが……」  アンバーはそう呟くと、青い花の絨毯に鼻先を埋めた。  暖かくて優しい陽射しが、アンバーの灰色の毛をキラキラと銀色に輝かせている。  可憐な花の香りがふわりと漂う。  それはまるで──  アンジュの匂い。  燃えるように溶け合うように求め合ったあの時と同じ香りが、甘く、懐かしく、アンバーの身体を包み込んでいく。 「もうすぐ逢える……」  目を閉じれば、愛しい人のその姿が浮かんでくる。  心地よい温度の陽射しと、甘い香りは、微睡みを誘う。  ──アンジュ──〝天使〟

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