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第4話

     学食で会おうと約束した薫が来ない。 「薫なんか最近可愛くなったよな?」 「そっか? 気のせいじゃね?」 また変な奴に絡まれてる…… 「遅かったな薫。おいで」 「あっ! 凌一どこ行くの? 学食あっちだけど」  開いている講義室に薫を連れ込み、俺は薫の首を掴んで強引に唇を合わせた。 「っ! んっぁ……どうした? 最近、変だよ凌ちゃん」 「こんなんなら新薬止めさすんじゃなかった」  可愛いとか知ってるの俺だけでいいのに! 「普段の薬にしたから無理だよ」 「そうだけど……」 「凌一あの約束、俺を護るって」 「うん、分かってる」  俺は薫の腰を抱き寄せ抱きしめた。薫から微かに漂う甘い匂いに目を閉じた。 「薫……次の発情期、一緒にいよう」 耳元で囁くと薫はぎこちなく頷いた。  約束の日、俺は薫の部屋に来ていた。薫がソワソワして落ち着かない。 「なぁ…遠いんだけど」 「そんな事ないってそうだ!なんか飲む?」  立ち上がろうとした薫の腕を引っ張った。バランスを崩した薫とベッドに倒れる。 「何すん…んっっ!」  俺は薫の唇にキスをした。濃厚で花のような甘い香りが俺を誘う。 「大丈夫? 拒否反応」 「薬飲んでたら意味ないだろ。前も思ったけど薫いい匂いがする」 「でっでも…手震えてる」 「薫だって震えてる」 「俺等初めてだから」 「……いいから黙って」 「違うそうじゃない…後ろ初めてなんだ」  真っ赤な顔を薫は腕て隠した。 「俺も初めてなんだから…薫の気持ちいいとこ躰で教えて」  甘い香りで躰が熱い。薫の躰に触れる度、ビクっと動く。唇で指先で薫から漏れる吐息を聞きながら反応する箇所を何度も触れた。 「ここ…こんなに濡れるものなの?」 「凌一だから…凌一好き!」 「俺も…好きだよ薫……」  一つになった瞬間、全身が熱く滾る。何も考えられない……ただ本能のままに躰が動く。薫の甘い濃厚な香りと誘う吐息。薫の首筋にキスをし舌で舐めた。 「…あっイっっ! 俺もう…凌…一……」  後ろから突き上げると同時に俺は薫の上気した首に歯を立てた。 「……あぁっっ!」  そのまま力なくベッドに倒れる。長く続くアルファの熱いものに、躰を震わせる薫の首筋に俺は何度もキスをした。 「気がついた凌一」 「うん、躰大丈夫?」 「大丈夫。それより……」 「痛った! 何すんだよ!」 「だって凌ちゃんだけずり〜し!」  俺の首筋にくっきり歯形が付いた。 「これじゃどっちがオメガ分かんないな」 「そうだな」  薫が笑う久しぶりに見た気がする。俺は初めて会ったあの時の笑顔が見たかった。 俺等、逆だけどきっとずっと一緒だ。 薫は俺で俺は薫……二人は一つ運命の(ひと)。   

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