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アカバレって、マ? Seite 1
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ピンポーン。
夕方、来客を告げるチャイムが鳴る。
「はいはーい」
ベッドでごろごろしていた俺は、玄関へと向かう。
「ごめん、遅くなった」
ドアを開けると、應本壮馬(おうもとそうま)が両手に買い物袋を持って立っていた。
「何そんなに買ったんだよ」
俺は買い物袋を1つ受け取りながら尋ねる。
「夜ご飯、カレーとハンバーグどっちにするか悩んで、結局どっちも買ってきたんだ。紘汰、どっちも好きでしょ?」
「まぁそうだけど、どっちかでいいよ」
「あと、いつものお店のプリンも」
「えっ、まじ?やった!壮馬、神!」
4月。
今日から新学期が始まって、俺たちは高校2年生になった。そうはいっても、高2になった以外、俺たち何も変わっていないんだけど。
應本壮馬は、俺の幼馴染だ。
小5からの付き合いで、高校生になってからは、毎週金曜日に泊まりに来るのがお決まりのパターン。
親が海外にいて、一人暮らしをしている俺を心配してのことだろう。
俺にとってはありがたい話だけど、俺たちも高2になったことだし、そろそろ壮馬には自分の幸せのために生きてもらいたい…とか、お前が言うかって感じだけど。
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