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「なんでだよ。後でちゃんと消すから、やだやだ言ってないでもうちょっとがんばれって」
俺が黙って首を振ると、本郷はイラつきを隠して甘えるような声を出した。
「なぁ、海老沢のエロいとこ、見せてよ?」
「見て…… ねぇじゃん。」
「ん?」
「おまえ、俺のこと見てねえじゃん…… 」
見上げたら、スマホから目を離した本郷と、やっと目が合った。
画面と俺を交互に見てから、本郷が「あー 」と言って口を押さえる。それからスマホを床に置いて、腕を伸ばして俺の頭をくしゃくしゃと撫でた。
「ごめんな、淋しかったよな。」
「…… うん。」
よかった。ちゃんと、伝わった。
これで、この変なのは終わりかなって、期待したのに。
「勃ってこないから、変だなって思ってた。お前、見られてると感じるのに。じゃあ、今度はちゃんと見てるからさ、やって。さっきの。」
「え…… 」
足元にスタンバイした本郷が、俺の膝の裏に手を添えた。それをぐっと押し上げられて、俺のあのへんが、天井向きになる。
「あ、これほら、あれだ、花見。覚えてる?」
「おっさんくせぇ…… 」
「それあの時も言われた。」
目を細めた本郷が、俺の尻にチュッとキスをした。
「あ…… っ」
「海老沢のここ、今日なんか石鹸の匂いする。もしかして、朝洗ってきた?」
「う…… ん。」
「へぇ。何、もしかして、中も…… ?」
そんなこと、さすがに恥ずかしくて言えない。でも沈黙は、肯定したも同然だ。
本郷はさも楽しそうに、ニタァッと笑った。
「見せて。オレのためにきれいにした海老沢の孔、中までよく見たい。自分で開いて、見せて?」
「う…… 」
俺は両手を下ろして自分の尻につけた。
すごく恥ずかしいけど、こんなんで本郷 が喜ぶなら……
俺は両手の指先に力を込めて、尻の肉を外に開いた。
普段は閉じてるところが、空気に触れる感じがする。
力を入れなくても、指で開かれた孔が、勝手に閉じようとする。ヒクヒク、動いてる。
本郷がそれを、じっと見てる。
恥ずかしくて、すごい恥ずかしくて、目を開けていられない。ぎゅっと目を閉じたら、本郷の低い声が意地悪に言った。
「海老沢の、勃ってきたよ?」
「うぅーー…… 」
わかってるよ、そんなの。
だから余計に恥ずかしいんだって。
なんで勃つんだよ、こんな、恥ずかしいことさせられてんのに……
「そのまま、開いてて。海老沢の中、ピンクですげぇエロい。」
「あ、あ、や、やだ、そんな、あ…… っ」
生温かい舌が、あんまり触られたことのないところをぴちゃぴちゃ舐める。人差し指にかかる息で、舐められてるのがタマと孔の間だってわかって、指が震えて力が抜けた。
「オレここ、結構好きなんだよね…… 薄くピンクの線引いたみたいなの可愛いなって、最初にフェラしたときから思ってた。」
本郷がそう言いながら、俺の知らないその線をなぞるみたいに、舌先でつっと舐め上げた。
「変……態…… っ」
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