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天使は翼を手折るのがお好きらしい(ヘタノヨ コヅキ・著)

 二年B組には、天使がいる。  そう噂されているのは、その高校に通う誰もが知っていた。  栗色の髪はふわふわで、前髪は可愛らしいヘアピンで留めている。  目は宝石のように輝いていて、女の子のようにまん丸で大きく、愛らしい。  身長は百五十センチと小柄で、本人曰く「まだまだ成長中だよ!」とのこと。  高校で背が伸びる事を想定して、少し大きめの制服を購入したせいで、いつも袖が手を隠してしまっているが、それも計算なのではと思う程あざとく、可愛い。  笑みを絶やさず、ただでさえ容姿だけでも人を惹きつけるその天使は、成績優秀だった。  スポーツも人並み以上にこなせて、人間関係も良好。教師からの信頼も厚く、学校中の誰に訊いてもその天使の評価は高い。  それがこの男子校の天使、佐渡心太(さどしんた)だ。  (……なんてね)  周りの評価なんて、ボクが一番よく分かっている。  二年B組の天使、男子校の姫、歩く男の理想……ボクへの肩書は数え切れない程ある。 (いったい誰が考えてるんだろ……)  ボクは飴玉を口の中で転がしながら、椅子の背もたれに体重を預けた。 「こころちゃーん」  同じクラスの男子に声を掛けられて、ボクは椅子にもたれたまま、振り返る。 「な~に?」  『心太』だから『こころ』……安直すぎて、ツッコむ気にもなれない。  ボクが振り返ると、男友達はヘラヘラとだらしのない笑みを浮かべてボクに近寄る。 「この後って暇?」  時刻は放課後、教室にはボク以外にも生徒が数人残っている。  特にこれからの予定を決めていなかったボクは、わざとらしく考え込むフリをした。 「う~ん……何で?」 「良かったら、駅前のケーキ屋さん行かないかな~って」  デレデレと鼻の下を伸ばしながらそう話す男の傍に、二人組のクラスメイトが近寄る。 「お前! 何抜け駆けしてんだよ!」 「こころちゃんは、皆のこころちゃんだろ!」  待遇が完全にアイドルのようだ。  男達が三人で喚いているのを尻目に、ボクは教室の隅にある席で、自習をしている生徒に目を向けた。  丁度、その時だ。 「お、いたいた。おーい、佐渡!」 「は~い」  担任の教師が教室に入ってきて、ボク達に近付く。  ボクは視線を先生に向けて、笑みを作る。 「悪いんだが、体育倉庫の掃除を頼んでもいいか?」  この教師が担当している教科は、体育だ。  けれど自分が管理しているテリトリーの掃除すら満足に出来ないのか、よくボクにこうして掃除を頼みに来る。  ボクはチラッと教室の隅にいる生徒に視線を向けてから、先生に向き直った。 「はい、大丈夫です」  そう返事をすると、ボクの事で揉めていたクラスメイトがガッカリしたような顔でボクを見る。 「え~……」 「先生、そんなのこころちゃんじゃなくて別の人にやらせろよな」 「そうだそうだ!」  ブーブーと喚いているクラスメイトに向けて、ボクはポケットから飴玉を取り出す。  それを一人一人に手渡しながら、困ったように眉を下げてみせた。 「ごめんね。でも、先生にはいつもお世話になってるから……ボク、恩返ししたいなっ」  そう言ってから笑顔を作ると、怒った顔をしていたクラスメイトの表情が和らいだ。 「じゃあ俺、手伝うよ!」 「あ、俺も俺も!」 「勿論、俺だって!」  飴玉を大切そうに握り締めながら、クラスメイトが三人とも揃って手を上げる。  でもボクは首を横に振って、三人の申し出を断る事にした。 「んーん、大丈夫。皆は先に帰ってて?」 「佐渡、一人で大丈夫か?」  自分で頼んできたくせに、心配そうな顔でボクの事を見下ろしながら、先生が訊ねる。  ボクはそれに対しても、笑顔で応じた。 「大丈夫です! 一人じゃないですからっ」  そう言って、教室の隅にある席まで歩き出す。 「真宵(まよい)君」  隅っこの席で黙々と自習をしていた地味なクラスメイト、真宵麦(むぎ)君に近寄って、ボクは話し掛ける。 「……何」  真宵君は顔を上げて、冷めた視線をボクに向けた。  真宵君は、模範的な生徒だ。  根っからのガリ勉で、運動が少し苦手な彼は友達が少ない。  いつも勉強をしていて、無表情で無口。周りからしてみたら、付き合い辛いのだ。  でも、ボクはそんな真宵君が嫌いじゃなかった。  顔は整っているし、銀縁のメガネも似合っている。メガネを外したところは何回か見ているけれど、裸眼でも全然カッコいい。  ボクが男子校の姫なら、真宵君が王子だろう。ボクにとって真宵君の容姿は、そう見えた。  少し不機嫌そうな真宵君の隣に立ち、ボクは笑みを向ける。 「良かったら、ボクと一緒に体育倉庫の掃除……してもらえないかな?」 「何で俺が」 「そこを何とか……お願いっ」  両手をパンと合わせて、真宵君に向かって頭を下げると、先程までデレデレしていたクラスメイト達が近寄ってきた。 「オイ、地味男。まさか、こころちゃんのお願いを拒否する気か?」  威圧的な三人に向かって、ボクは頬を膨らませる。 「ダメだよ、無理強いしたらっ」  そのやり取りを見て、真宵君が露骨に溜め息を吐いた。 「はぁ……別に、いいけど」 「ほんと?」  ボクは視線を三人から真宵君に向ける。  真宵君は立ち上がって、ボクの横に並ぶ。  身長は百八十センチくらいあって、ボクと並ぶとまるで女の子と男の子みたいな身長差だ。親子と言ってももしかしたら通じてしまうかもしれない。 「おー、真宵もいるなら安心だな」  先生はそう言いながら、ボクに体育倉庫の鍵を渡してきた。  真宵君は同い年の人からは付き合い辛いと思われているけれど、教師からは真面目だからと信頼されている。  力もあるし、重い物なら真宵君が持ってくれるだろうと思ったのか、先生は満足そうだ。 「それじゃあ、いってきま~す」  ボクはそんな挨拶をしてから、真宵君と一緒に体育倉庫へ向かった。  体育倉庫は、体育の授業を外でやる時に使う建物だ。中には色々な用具が入っていて、広いけれど結構狭く感じる。  そんな体育倉庫は授業が無い放課後、まず人が来ない。  オマケに鍵はボクが借りているこの一つと、スペアキーが一つだけあるけれど、それを持っているのは夜に学校の点検をするオジサンだけだ。  つまり、今ここでボクが内側から鍵を閉めたら……夜まで誰もここに来な色々だろうし、誰も入ってこられない。 「真宵君……やっと、二人きりになれたね」  体育倉庫に真宵君と入り、ボクは内側の鍵を閉める。  振り返ると、端正な顔立ちをした真宵君が、眉をひそめていた。  ボクは倉庫内にある椅子に座ると、立っている真宵君を見上げる。  そして、笑顔を作った。 「何でボクを見下ろしてるの?」  その言葉に、真宵君は瞬時に跪いてみせる。 「申し訳ありません!」 「って言うか、教室での態度も何? 照れ隠しにしても、失礼すぎ」 「申し訳ございませんでした!」  頭を垂れて、土足で使われているから土で汚れている床に、真宵君は制服のズボンが汚れるのも気にせず膝を付けた。  ボクは靴の先で、真宵君の顎を持ち上げる。 「あれ? 何、その顔」  真宵君の顔をボクの方に向かせると、その表情にボクは思わず笑ってしまった。  真宵君は目尻をだらしなく下げて、唇を半開きにしながら恍惚とした表情でボクを見ている。 「だらしな~い。キモ~イ」  そう言い、ボクは真宵君の綺麗な首を蹴った。 「ゲホッ!」  突然の痛みに、真宵君が苦しそうに咳込む。  そう……これこそが、ボクの本当の姿だ。  天使? 姫? 男の理想? くだらない。  こころちゃんという呼称も、反吐が出る。  体育倉庫の片付け? そんなもの、テメェでやれ。  そもそも、あんなブ男達がボクに馴れ馴れしく近付いてくる事自体が、不愉快。お門違いとはまさにこの事。お里が知れる。親の顔が見てみたいものだ。  ボクはボクが認めた人にしか、関わりたくないし触れたくない。  例えば、そう……今目の前にいる、高貴で高潔な、真宵君みたいな人。  綺麗で美しくて、触れたら壊れてしまいそうな程脆そうで、足跡一つない新雪のようなこの人になら、触れたいって思える。  壊れてしまいそうなのに、触れたいのかって? むしろ、そんな印象だから触れたいんだよ。  この綺麗な人を、グチャグチャにぶっ壊すのが楽しいんだから。 「痛かった? ごめんね、大丈夫?」  椅子に座ったまま、むせている真宵君を見下ろす。  真宵君はすぐに姿勢を正して、ボクを見上げた。 「いえ、大丈夫です!」 「本当に? 喉とか、ケガしてない?」 「大丈夫です!」 「でも、心配だよ……」  ボクは悲しげに眉をひそめて、立ち上がる。  跪く真宵君の目の前に立つと、ボクはズボンのベルトを外した。 「ボク自身で確認してあげる」  チャックを下ろし、萎えているチンコを取り出して、真宵君の口元に近付ける。  すると、真宵君が瞳を輝かせた。 「そ、そのようなご褒美……よろしいのですか!」  この状況を見て、ボクをヘンタイだと思う人がいるかもしれない。  そんなボクから見たら、真宵君だってよっぽどヘンタイだと思う。 「あはっ。男のチンコを男が咥える事の何がご褒美なの?」  チンコの先端を真宵君の口に擦りつけると、真宵君の瞳が一層輝く。 「何その表情? 萎えるんだけど?」  明らかに喜んでいる真宵君が、見ていて面白くない。 「気持ち悪い。ヤッパリやめようかな」 「そ、そんな……!」 「最初の頃なら、そんな顔しなかったのに」  初めて真宵君を壊した日、口の中に何度も何度も精液をぶちまけると、量と濃さと乱暴に口内を蹂躙された苦しさからか、泣かせてしまった。  それもそうだ。男の精液なんて、好んで口にするものじゃない。何度も喉の奥を圧迫されれば苦しいだろうし、涙も出る。  けど、分かっている。  真宵君は実際、あの頃から何にも変わっていない。 「ボクのチンコで確認して欲しいなら、それ相応の誠意を見せてもらわないと」  真宵君はボクの顔とチンコを交互に見やって、唇を噛んだ。  それは決して、苛立ったからではないというのを、ボクは理解している。  すると真宵君は突然、躊躇いなく服を脱ぎ始めた。  制服はきちんと畳み、靴も下着も何もかもを脱ぎ捨てて、身に着けているのはメガネだけという状態になると、額を土で汚れた床に擦りつける。  それは、美しすぎる土下座だった。 「家畜の分際で、当たり前のように佐渡様の男性器をしゃぶれると勘違いしてしまった私の事を、どうかお許しください!」  真宵君は、どうしようもないヘンタイだと思う。  初めての時、みっともなく泣き出していたくせに彼は、イヤがっていなかったのを思い出す。  ボクは冷めた目でその土下座を見届け、整えられた頭を土で汚れた靴で踏みつける。 「必死過ぎ」 「っ!」  踵でグリグリと踏みつけると、真宵君が息を呑む。  それでも、頭を動かそうとはしない。抵抗もせず、僕の踏みつけを受け入れている。 「真宵君、そんなにボクのチンコで確認して欲しいの?」 「は、はい……っ」 「ふ~ん」  踵を押し付けたまま訊ねると、真宵君は遠慮がちに肯定した。張り切って肯定したら、ボクが萎えると思ったからだろう。  普段は頭がいいくせに、今やっている事はあまりにも幼稚。ボクに対してどう接するのが正しいのか分からないんだ。  そんな、バカみたいな真宵君を見ているのが凄く楽しい。 「うん、いいよ」 「え……っ」  頭から靴をよけて、また椅子に座ったボクの言葉を聞き、真宵君が顔を上げた。  その目は、期待に満ちている。  そんなに輝いた目で見られると、正直萎えるけれど……楽しみはコレだけじゃない。  コレは、前座だ。 「ホラ、咥えて? 診てあげる」  足を開いて、咥えやすいように座り直す。  真宵君は全裸のまま、ゆっくりとボクに近付いてくる。脚をズリズリと床に這わせて、遠慮がちに顔を寄せてきた。 「し、失礼します……」  声は控えめなくせに、咥える口は急いている。ボクの気が変わる前にやってしまいたいんだろう。 「奥まで診てあげたいんだから、ちゃんとボクの事悦ばせてね?」 「ふぁいっ」  チンコを口に咥えたまま、真宵君が小さく頷く。  舌先で先端を舐め、唇をすぼめる。 「初めて舐めた時より、上手になったね~」  土で汚れた真宵君の頭を撫でると、嬉しそうに目を細めて頷く。  初めてボクのチンコを舐めさせた時は、想像以上にフェラがヘタクソで、ちっとも気持ちよくなかったのを今でも憶えている。  けど、流石優等生だ。週に何回か舐めさせていると、コツを掴んだのかネットで調べて勉強したのか……ボクの悦ばせ方が分かったらしい。  裏筋をゆっくりと舐め、歯を立てないよう丁寧にフェラを続ける。 「真宵君、気持ちいいよ……」  ふと視線を向けると、真宵君のチンコが形を変えていた。 「ホントに、ボクのチンコ大好きだね」  いつもは清潔で性欲とは無縁そうな優等生なくせに、ボクとの行為に悦んでいる。男のチンコを舐めて、勃起させているのだ。  ボクは真宵君の髪を引っ張って、顔を股間に近付けさせた。 「んぐッ!」 「は~い、喉を診てあげるね~」 「んんッ!」  完全に勃起したボクのチンコを、真宵君のお望み通り喉奥まで深々と突き刺す。  ついさっきまで悦ばせようと必死だった真宵君が、苦しそうに呻いた。  ボクはチンコを喉の奥に突っ込まれた事なんか一度も無いけれど、きっと苦しいんだろう。真宵君が目元に涙を浮かべている。 「泣いてるけど、ヤッパリ喉……怪我してるの? チンコ突っ込まれて、痛い?」 「んんっ、んーッ!」 「いきなり動かないでよ」  ボクの言葉に首を振る真宵君の髪を、もう一度無理矢理引っ張った。  後頭部を押さえ付けて、逃げられないようにする。喉の奥に異物が当たって、真宵君は鼻息を荒々しく鳴らす。 「スゴイ……奥、気持ちいい」 「ふぅーッ、んッ! んぐッ!」 「何で逃げようとするの」  両足で頭を固定すると、真宵君がポロポロと涙を流した。  苦しさから、ボクに奉仕する余裕が無くなった真宵君の代わりに、ボクが動く事にしよう。ただでさえ苦しそうに泣いている真宵君の喉奥目掛けて、腰を動かしてみた。  その動きは、初めて真宵君にフェラさせた時と同じ動きだ。 「んぐゥッ!」 「ちょっと、吐きそうになってない?」  突然の圧迫に、喉の奥がひくついている。  ボクにとったら堪らなく気持ちいいけど、真宵君からしたら苦痛でしか無い筈だ。  腰を引いて、また奥まで遠慮なく突き挿れる。そんな抽挿を繰り返しているのに、真宵君のチンコは先端から蜜を溢れさせているようだ。テラテラと濡れそぼって、体育倉庫の床を濡らしている。  苦しくて辛いくせに、悦ぶなんて……生粋のマゾに違いない。 「ねぇ、真宵君……」 「んぐっ、ん……ッ?」 「誰かから聞いたんだけど、精液が目にかかると失明しちゃうんだってさ」  腰の動きはそのままに、ボクは真宵君に語り掛けた。  真宵君は知っているんだろう。涙で顔をグチャグチャにさせたまま、小さく頷かせている。  ボクはそんな真宵君の頭を撫でて、ニッコリと笑った。 「本当かどうか、試してみようか」 「ッ!」  ボクの言葉に、真宵君の頭が逃げようと動く。  けど、頭を両足で固定しているのだから逃げられる筈がない。真宵君が頭を引こうとしたのは分かったから、すぐに両足で頭を股間に引き寄せる。 「んーッ! んぐぅッ!」 「ふふっ、イヤなんだ? 必死だね?」  でも、止めてあげるつもりはない。 「真宵君、かけるよ……っ」 「んぅーッ!」 「イキそ……ッ」  首を横に振って拒絶している真宵君にお構いなく、ボクは腰の動きを速める。  そして、射精する寸前で口から引き抜いた。 「真宵君……ッ」 「ひぁ……ッ!」  数回だけチンコを扱き、真宵君の顔に容赦なく精液をぶちまける。  悲しげに歪められた真宵君の顔が、ボクの精液によって白く汚されていく。  額に、鼻に、頬に、そして髪にも精液がかかる。 「あっはは。良かったねぇ、メガネがあって。目に精液がかからなくて済んだよ?」  目にかけてやろうと狙ってみたが、メガネが邪魔でかからなかった。まぁ、目を閉じていたから入らなかっただろうけど。 「はぁ……っ、佐渡様……っ」 「うわ、気持ち悪~い」  真宵君はうっとりとした表情でボクの名前を呟きながら、顔に付いた精液を舌で舐めとろうとしている。  必死に舌を伸ばして、口の周りを舐めている真宵君は……浅ましい。  しかもよく見ると、真宵君のチンコの下にはボクのじゃない精液が飛び散っていた。 「失明するって考えて、射精しちゃったの?」 「申し訳ありません……っ」  そう言いながらも、真宵君は舌を動かし続けている。  少し前までは、教室で清潔且つ高貴な印象を与えていた筈の真宵君なのに、今では見る影もない。  顔を自分の涙とボクの精液でグチャグチャにした真宵君は、誰が見ても優等生には見えない筈だ。  しかも足元には自分自身の精液が飛び散っている。  そもそも体育倉庫で全裸になっている時点でアウトだろう。  顔に付いた精液を必死に舐めとろうとしている真宵君を見下ろしながら、ボクは微笑んだ。 「真宵君、満足しちゃった?」  ボクの問い掛けに、真宵君が素早く顔を上げる。  その表情は、悲しげだ。 「そ、れは……そのっ」 「だって、一人で射精しちゃったし。もう満足でしょ?」  視線を下ろすと、真宵君のチンコがまた熱を持ち始めていた。  真宵君は視線を泳がせている。ボクの顔を見上げたり、体育倉庫の中を見回していたり、ボクの下半身を見たり……せわしない。  勿論、乱暴なフェラをした後にボク達がする事は決まっている。だから、真宵君はそれを期待しているんだ。 「またボクのお尻に挿れたいんだ?」  ボクが笑いながらそう言うと、真宵君の勃起したチンコが小さく震えた。  その震えは素直に、期待していると言っているように見える。 「男のボクで童貞捨てて、女の子を抱けなくなって……可哀想」 「佐渡様以外の人に興奮だなんて、考えられません!」  キレイな物を壊すのが大好きなボクは、清廉潔白に見える真宵君に目を付けた。  初めて行為に及んだのも、この体育倉庫だ。無理矢理ボクのチンコを咥えさせて、戸惑っているのに何故か興奮していた真宵君の童貞を、ボクが奪った。  真宵君はたぶん、普通に女の子と恋をして子供を作って家庭を持てた筈だ。  けれど、こんなにキレイな真宵君を他の人が汚すのは……面白くない。  ボクがぶち壊さないと気が済まないし、真宵君が他の人に傷付けられるのは絶対イヤだ。  だからと言って、真宵君の事を好きなわけじゃない。付き合いたいなんて思わないし、毎日一緒にいたいと思った事もなかった。  それでも、真宵君が他の人と仲良くするのは面白くない。  真宵君が周りの人にとって付き合い辛い印象を持たれているのは、ボクがそうするように真宵君へ命じたからだ。  一年生の頃は、少し真面目などこにでもいる普通の生徒だった。けれど、真宵君が他の人と仲良くなるのが面白くないボクとしては、真宵君が孤立している方が良かったから、真宵君にはそう演じてもらっている。  真宵君には、拒否権が無い。  何故なら、真宵君はボクを崇拝しているから。  真宵君はボクに虐げられる事に、性的な悦びを感じるようになった。真宵君を満足させられるのは、ボクしかいない。  真宵君が天涯孤独になるのならば、ボクのうっぷん晴らしに気が向いた時だけ付き合わせてあげる……一見ボクにしかメリットが無い関係に見えるが、真宵君にとってもメリットしかないのだ。  ボクのオモチャになる事が悦びなんだから、真宵君からしたらボロ雑巾のように扱われる今の関係が嬉しくて堪らない。  そんな、あまりにもいじらしい真宵君はずっと、ボクを見つめている。 「体育倉庫の掃除、一人でやってね」 「勿論ですっ!」 「必死だね」  ボクが立ち上がると、真宵君も素早く立ち上がった。  自分が脱いだ制服を床に敷き始めると、また正座をする。 「薄いですが、宜しければ!」 「積極的~」  遠慮なく制服を踏みつけて、座り込む。  真宵君はソワソワしたままボクを見た。 「ボクにチンコハメたいんでしょ?」  振り返ると、真宵君のチンコは今にも射精してしまいそうな程そそり立っている。それだけで、どれだけボクに欲情しているのかが分かってしまう。 「言っておくけど、つまんない動きとかしたら……切り刻むから」 「は……っ、はいっ」  一瞬、切り刻まれてもいい……とか思ったんだろうな。  ボクはズボンを脱いで、椅子の上に置いた。 「どの体位でしたい?」 「か、家畜なんかのリクエストを聞いて頂けるのですか!」 「今日は気分がいいからね」  実は、真宵君を虐めるのは久し振りなのだ。  真宵君とのセックスは嫌いじゃない。  首を絞めても悦ぶし、遠慮なく何回も射精するし、思い切り背中に爪を立てても恍惚とした表情をするし……何をしても悦ばせるのは面白くないけれど、ムダにチンコは立派だからだ。  別に女の子を抱くのが嫌いとか、逆に男に抱かれるのが好きというわけではないけれど、真宵君だけは特別。  セックスの間は、どんなに暴力を振るっても甘んじて受け入れてくれるから……サンドバックを相手にしているみたいでスッキリする。オマケに性処理も出来るんだから、最高だ。  ボクの質問に、真宵君は正座をしたまま答えた。 「佐渡様のご尊顔を拝見しながら、行為に及ばせていただけますでしょうか?」 「騎乗位? それとも、正常位って事?」 「正常位が好ましいです!」 「じゃあ騎乗位ね」  ボクはそう言うと、真宵君が敷いた制服にサッサと寝そべるよう、指を指す。  真宵君がしょんぼりした様子でボクを見ているが、何でもかんでも受け入れてあげるわけじゃないと分かっているだろう。勃起したチンコはそのままだから、萎えてはいない。  正常位で、真宵君の髪についた自分の精液が垂れてきたらどうする。ボクは自分の精液が好きなわけじゃないんだから、勘弁して欲しい。 「シないの?」 「いいえ!」  真宵君は素早く制服の上に仰向けで寝そべり、ボクを見た。  真宵君のチンコは力強く存在を主張していて、真っ直ぐに天井を向いている。かなり立派だ。 「佐渡様自ら乗って頂けるとは……恐縮です!」 「そんな事気にしてたんだ?」  正常位が好きというわけではなく、ボクにわざわざ乗ってもらうのに引け目を感じていたらしい。どこまでもボクを上に見ている。  その対応に、気分が良くなってきた。 「じゃあ、その粗末なチンコをハメさせてあげるね」  ボクは真宵君の上に跨り、チンコにお尻を擦りつける。 「あ……っ! 佐渡様……!」  たったそれだけの触れ合いにも、真宵君は腰を跳ねさせているようだ。 「まさかとは思うけど、これだけで射精したりしないよね?」 「な、長くは……ッ」 「うわ、イキそうなんだ」  見下げた。とんでもない早漏だ。  擦りつけているだけのお尻が、先走りの液でヌルヌルと汚れていく。 「気持ち悪い。早漏すぎてダサい」 「そのようなお言葉……ご褒美ですっ!」 「ホント、気持ち悪~い」  お尻の膨らみでギュッとチンコを押し潰すと、真宵君が大きく震えた。 「あ……ッ!」 「うわっ」  ただお尻で圧迫しただけなのに、呆気無く射精したのだ。  体を小刻みに震わせて、ボクの下半身を汚していく。 「さ、佐渡様……申し訳、ありませんっ」 「まったくだよ」  二回目の射精だというのに、真宵君のチンコは全く衰えていない。物欲しそうに、小さく震えている。  ボクに挿れたくて堪らないんだ。 「エッチしたい?」 「はい!」 「ボクの中にビュビュッてしたいんだ?」 「はいッ!」  正直、ボク自身も限界だった。  お尻の穴を、真宵君のチンコに当てる。それだけなのに、真宵君が恍惚とした表情を浮かべた。 「挿れちゃうよ?」 「はい、はいッ!」  なんてだらしない顔なんだろう。  目はトロンとしていて、口の端にはヨダレが垂れていて、気付けば両手でボクの脚を掴んでいる。  浅ましくて醜くて汚い。  キレイな真宵君がこんなに堕ちきっている姿……見られるのは、ボクだけの特権だ。 「あはっ。だらしなくて気持ち悪くて、サイアクだね」  だからこそ、堪らない。  ボクはゆっくりと、腰を落とした。 「あ、はぁ……ッ!」  喘いだのは、真宵君だ。  小柄なボクのお尻の穴なんて、当然小さい。  狭いしキツイし、真宵君からしたら千切られるんじゃないかと思うくらい、窮屈な穴だろう。  でも、ボクによって自身のチンコが千切れるなら……本望なんじゃないか。そう思う。 「あぁ、あぁッ! 佐渡様の中、凄いです!」 「抱いてる方が喘ぐの? 聞くに堪えない鳴き声だね。無様~」 「そんな――あぁッ!」  グッと奥まで挿入すると、真宵君が仰け反る。そのままボクの下で、体を小刻みに震わせた。 「んっ……射精するの早すぎだよぉ」 「佐渡様の中、気持ち良すぎます……ッ」  三回目の射精をしたのだ。中に、熱くてドロドロしたものが注ぎ込まれる感覚は、案外悪くない。  他の人がボクを汚したり、ましてや壊そうとするのは虫唾が走る。ボクをオカズに抜いている奴はいるだろうけど、バラバラに刻み殺してやりたいくらいだ。  それでも、真宵君に中出しされるのはイヤじゃない。元がキレイで美しい彼だからこそ、受け入れられるんだろうなと思う。  何回壊しても、何回心を折ってもキレイになって戻ってくる真宵君は、ボクのお気に入りのオモチャなのだ。 「真宵君……自分だけじゃなくてボクの事も、気持ち良くして?」 「誠心誠意努めさせていただきます!」  元気よく返事をした真宵君が、ボクの細い腰に手を当てた。  その行為に、ボクは眉をひそめる。冷めた目で真宵君を見下ろすと、ボクは自分のネクタイをほどいた。 「家畜風情が、何勝手に触ってきてるの?」 「も、申し訳ございません!」 「さっきから脚も触ってたし、調子に乗らないで欲しいんだけど」  真宵君の細いながらも逞しい腕を、彼の頭上へ持っていく。  そして今さっきほどいたボクのネクタイを使って、縛り付ける。  近くには丁度、テニスの時なんかに使う審判台が置いてあった。ボクはネクタイの余った部分で、真宵君の腕と審判台を無理矢理くくりつける。 「家畜は繋いでおかないとね。あ、ネクタイは明日までに、シワ一つ無い状態に戻してよね」 「佐渡様……ッ」 「ちょっと、真宵君……っ」  ただ縛り付けただけなのに、真宵君のチンコが更に膨れ上がった。 「マゾい君はホ~ント、ドヘンタイさんだね」 「勿体無きお言葉です……!」  褒めたつもりは全く無かったけれど、真宵君は嬉しそうだ。  お尻の中で、どんどん膨れ上がるチンコが堪らなく心地いい。 「ねぇ、いつまでボクを待たせるつもり?」  真宵君の胸に両手を載せて、ボクはトロンとした表情を作って真宵君を見下ろした。 「租チンごときが、立場も弁えずにもったいぶらないでよね……っ」  すると、真宵君の表情が変わった。  さっきまでは情けなくてだらしなくて、とにかくカッコ悪い表情をしていたのに、突然真剣な表情になったのだ。 「動きます」  そう宣言すると真宵君は言葉通り、腰を動かし始めた。 「あ、あ……んっ、そうそう……もっと張り切って……あっ」 「はい……ッ」 「ぁんッ!」  口では租チンと罵ってはいるが、真宵君のチンコは本当に立派なものだ。動かれる度に気持ちのいいところに擦れて、思わず声が出てしまう。  チンコを引き抜くのかと思うと、奥深くに思い切り突き刺してくるその動きが、堪らなく気持ちいい。 「あ、んんッ! は、あっ、真宵君……ッ!」 「佐渡様の中、凄く熱いです……ッ」 「ふぁ、あッ! ぁんっ、そ、そぉ……? あはっ、よかったねぇっ?」  ズンズンと遠慮容赦なく腰を打ち付けてくる真宵君も、ギラギラと欲情した目を向けながら感じているらしい。熱っぽい吐息を漏らして、腰を上下に動かしている。 「あ、あんッ! あっ、あッ!」  ゴリゴリとした硬いチンコが、ボクの中を何度も何度も往復する。  堪らず嬌声のような声を上げると、真宵君の眉間に深いシワが刻まれた。 「佐渡様、く……ッ」 「ふぁッ、あはっ! イキそう、なの? ん、あんッ!」  早漏の真宵君は、また射精してしまいそうだ。チンコが更にパンパンに膨れ上がって、辛そうに感じる。 「仕方、ないなぁ……あッ! な、中に、出させて……ぁんッ! あげる、よ……んんッ、きゃぅッ!」  本来なら、新しい生命を誕生させる為に使う精子……真宵君の遺伝子なら、きっとステキな赤ちゃんが生まれるだろう。  それを、男に出させてムダにさせる……そう考えるだけで、ゾクゾクする。  ボクからの許可を得て、真宵君が更に激しく腰を打ち付けてきた。 「佐渡様、佐渡様ッ!」  一際奥深くチンコを突き挿れると、真宵君の体が大きく震える。  その感覚に、ボクは声をあげた。 「ふぁあッ! あつ、熱いぃ……んんっ!」  チンコをビクビクと痙攣させて、ボクのお尻の中にたっぷりと精液を注ぎ込む。まるで孕ませるつもりなのかと疑ってしまう程、長く長く……射精している。 「あぁ……っ、お尻の中……真宵君のでいっぱいだねぇ……っ」  二回も精液を注ぎ込まれて、何だかフワフワした気分になってきたボクは、真宵君の首に手を添えた。 「ねぇ、ボクの事もイカせて……っ?」  まだ物足りない。  この程度のピストン運動で、ボクが満足できるわけがないじゃないか。  まだ衰えていない真宵君のチンコが、再びボクの中を擦り始める。 「あッ! やっ、ぁん! 精液が、あっ! お尻の中でぇ……ふぁぁあッ!」  二回分の精液が、チンコの抜き刺しによっていやらしい水温を奏でた。  グチュグチュと音を立てて、ボクのお尻に無理矢理染み込ませるかのようにチンコが精液を泡立てる。  完璧に、犯されているのだ。男に中出しをされて、精液を擦りつけられてチンコで喘がされて……サイアクの気分。  けど、ヤッパリ堪らない。 「佐渡様……素晴らしいですっ!」  下を向けば、ボク好みの美が顔を歪めている。涙と精液でグチャグチャになっていた顔は、汗も混ざって汚らしい。こんな姿、誰が見たってドン引きするだろう。  まるで自分の立派なチンコをディルドのように扱われて、愛なんか無いこの行為に付き合わされて、本当に可哀想な真宵君だ。  まぁ……同情する気持ちなんか、これっぽちも湧いてこないけどね。 「あぁッ! あん、んんッ! 真宵君、もっとたっぷり中出ししてぇッ!」  精子を無意味に吐き出してしまえ。  最高の遺伝子を無駄遣いしろ。  みっともなく男に欲情したらいい。  サイテイサイアクな劣等生にしてあげよう。 「佐渡様、どうか……どうか家畜風情に、その高貴なる精液をおかけください……ッ!」 「うん、うんッ! 出ちゃう、出ちゃうからぁッ! 豚未満の下劣な肉に、かけてあげるッ! あ、あッ! あぁぁあんッ!」  それが、完璧な君がするサイアクな奉公に対する、ボクからの最上級な返礼だ。  真宵君が五回目の射精をすると同時に、ボクも真宵君の体に向かって射精した。 「ふぁぁあッ!」 「佐渡様ッ!」  ボクは背を仰け反らせて、真宵君は腰を打ち付けて……お互いに長い時間をかけてたっぷりと精液を吐き出す。 「あぁっ……はぁ、はあ……っ」  真宵君と繋がったまま、ボクは体育倉庫の天井を見上げて息を整える。  ボクの下では、真宵君も同じように荒い息を吐いているようだ。 「はぁ、はーっ……佐渡様……っ」  ボクの名前を呼んで惚けている真宵君の首に、ボクはギュッと指を食い込ませる。 「何バテてるの? 誰が、いつ、休んでいいって言ったわけ?」  そう言うと、真宵君がボクの中でまた、熱くそそり立ちだした。  気付けばすっかり日も暮れていて、学校に残っている生徒もかなり減っていたようだ。  真宵君と一緒に職員室へ体育倉庫の鍵を持っていくと、ボク達に掃除を命じてきた先生が驚いた様子でボク達を見た。 「真宵、随分と制服が汚れてるぞ。……大丈夫か?」  土だらけの制服を見下ろして、真宵君が先生に答える。 「物を片付けている時に、土が付着したようです。問題ありません」 「そうか……佐渡は?」 「重たい物が持てなくて……真宵君にいっぱい頼っちゃいましたっ」  そんな雑談を交わして、ボク達は職員室を後にした。  教室に着くと、ボクは真宵君を振り返ってニッコリ笑う。 「今日は本当にありがとう! ボク、すっごく助かっちゃった!」  ポケットの中から飴玉を一つ取り出し、真宵君に差し出す。  しかし、真宵君は受け取らない。 「別に」  素っ気無くそう言うと、自分の席に座って帰る準備を始める。  ボクは自分で飴の包みを開き、わざと教室の床に落とした。  『コツン』という、飴が床にぶつかった音が響いてから、ボクが小さな声で呟く。 「こうしないと受け取らないなんて、ホント気持ち悪い」  床に落ちた飴を力一杯踏みつけ、粉々に砕いてから歩き出す。 「真宵君、また明日~」  それだけ言い残し、ボクは教室に真宵君一人を取り残して、家に帰る事にした。  翌日、教室には飴の欠片一つ残っていなかったし、ボクの靴底にくっついていた飴も綺麗に無くなっていたのは……わざわざ言う事でもないか。

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