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第13話

 誰に視線を合わせるわけでもなく、まわりを見回してみると、パッと見ただけで誰がαか、Ωなのかが明白だった。  詠月に初めて会った時もそうだったが、αにはβやΩにはない独特なオーラがある。それは多分、生まれ落ちた場所や歩んできた人生の違い、今いる立場の違いからなるものなんだろうと皐月は思った。 「こんばんは」 「ひっ!」  隣から急に声を掛けられて、気を抜いていた皐月は大袈裟に肩が揺れた。 「ごめんなさい。驚かせて」 「いえ、お……僕こそ、すみません。大きな声出して……」  皐月に声を掛けた男は、明るい髪色をした色の白いαだった。詠月とは違って色素の薄い瞳をしていて、とても柔らかい印象を受けた。 「べっこう飴……」  ポソリと皐月は彼を見て漏らす。 「え?」 「あ、いえ。あの、眼の色がべっこう飴みたいに綺麗だったんで……」 「べっこう飴? あはは、初めて言われた。琥珀色とは言われるけど、飴かぁ~」 「ごごごめんなさいっ!」  またおかしな発言をしてしまったと、皐月は慌てて頭を下げる。 「ううん。なんか表現が可愛いかったから。君、面白いね。僕は(あきら)。君は?」 「皐月です」 「皐月くんかぁ、可愛い名前だね」  人生において、こんなに連続して可愛い可愛いと、言われたことが無かったので皐月は妙に落ち着かない。 「煌さんは、お幾つなんですか?」 「27歳だよ。皐月くんは?」 「今年23になります」 「ええっ、若いっ。もう番探してるの? どうして?」 「早い方が、いいのかなぁって……」  ここに来たのは詠月のことを忘れるためだったが、当然言えるはずもなく、最後は笑って濁す。 「どういう人が良いの?」 「えっ?」 「えって、なに?」 「……Ωが、そんなこと言って……もいいんですか?」 「何言ってるの、当たり前じゃない。生涯の伴侶だよ? 大切なことでしょう」  皐月はカルチャーショックを受けたように目を見開く。

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