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「有馬はいつも笑(わろ)てたらええねんで」
怪訝な表情の僕に、前に回った遥清が爽やかに言った。
「うん?」
「これから、ゆっくりわかってくれたらええから」
学校のことかな?
「うん。そうする」
「中原くん、遥清が嫌になったらいつでも言いや」
「うん?」
「何か強引なことされたら、俺に言うたらいいで」
強引なこと? 何だろう?
「されとらん?」
「あ、急にお茶しよってガスト行ったこと? それともコンビニでパピコ半分くれたこと?」
「なに、遥清、中原くんに餌付けしてんの?」
「いや、そういうわけやないんやけど」
有馬のおいしそうに食べてる時の顔がかわいいねん、と遥清はそっぽを向いた。やたらおやつをくれるのはそのせいだったのか。
「あー、そう。今度、俺ともお茶しに行ってな」
「うん」
「お前は来んでもええ」
「僕はみんな一緒でも楽しいよ。遥清と委員長の会話、すごくおもしろいし」
委員長はにやっと笑う。
「ほなまた弁当も一緒に食べていい?」
「もう来んなっ」
「中原くんに訊いてるんや」
「うん、ええよ」
注意深く「ええよ」を言ったけど、やっぱりちょっとおかしな発音だったみたいで、委員長は何か言いたげにふふっと笑い、遥清はとても微妙な顔をした。
完
当て馬委員長も頑張ってますww
本命になれるかな(笑)
続きますw
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