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Page43:ゴミン

「…へぇ?そんなことしてたんだ?」 「やっ、いや!違うよ!?」 「気持ち良かったの?…ふーん?」 「シュ、シュンくん…!」 いつかの悪魔のような笑顔を俺に向けるシュンくんに、自分の顔が引きつるのがわかった。 「キスしようとしてただけじゃなく、乳首で感じてたんだー。」 へー、と目の奥が笑っていないまま、俺をずっと見つめるシュンくん。俺はそんなシュンくんを見れずに視線を逸らす。 だが不幸中の幸い、キスしたことはバレてないみたいで、それを隠し通せれば俺の勝ちだ。 「いや、だから…っ、それはですね…」 「キスもした。」 「…は?」 「な…っ!?ちょっとルイくん!?」 言い訳を考えてる最中、突然ルイくんが爆弾発言を落とす。この場を切り抜けられればどうにかったものを、これでは完全に逃げ道がない。 「だって…、俺だってシュンと、キ、キス…したかったんだもん…。」 間接だけど…と言いながら頬を膨らまし、プイッと顔を背けて不貞腐れた態度をとる。 「オイィィィ!!なに余計な事言っとんじゃワレェ!!」 なにが「もん…」だ!なにが「プイッ」だ!可愛くねぇんだよぉ!! 「は?何お前。いいじゃん、減るもんじゃないし。」 「今まさに俺のHPが減ってるよ!!」 「ナオくん?」 「あ……う…っ、ふ、不可抗力…だったんだもん…。」 誤魔化そうとした事もバレた今、俺は失笑しながら顔をプイッ背けた。 それから暫く沈黙が続き、空気は重いし、後は怖いし、何よりこの場の収め方がわからなくて一人ハラハラする。 「…ルイ。」 「な、なに…。」 そんな中声を発したのはシュンくんで。 不意に呼ばれ、また何か説教されるのかと身構えながらルイくんが答えた。 「…悪かった。」 「は…っ?」 けど、シュンくんから発せられたのは説教ではなく謝罪の言葉で、予想外の展開にルイくんが戸惑いの反応を見せる。 「僕は、ルイをそこまで追い込んだっていう自覚が足りなかったと思う。こうなったのは、全部僕の所為だ。本当に、ごめん。」 「シュ、ン……。」 頭を下げるシュンくんの姿に、俺もルイくんも思わず目を見開いた。 「…けど、ナオくんを巻き込んだことだけは絶対に間違ってる。今日は、僕じゃなくてナオくんに会いにきたんだろ?」 「え?俺?」 今まで面識がなかったから、俺の名前が出た事に驚きパッとルイくんに視線をやると、拗ねたように唇を尖らせていた。 「…コイツはメイを好きになればいいって思った。そうすれば、俺は…。」 「だからって、そんな騙すようなことしていいと思ってる?」 「………。」 「ナオくんに言うことは?」 「……ごめん。」 シュンくんに言われ、渋々だけど俺に謝る。あのルイくんが素直にいうこと聞くなんて、やっぱりシュンくんはすごいなと改めて感心すると共に、ピリついた空気が軽くなって、安堵した。 「いや、いいよ。俺も、女装見抜いちゃってゴメンな!」 「殺すぞ。」 「ええ!?」 お互い謝りあって、この場は一旦解決に終わる。 そしてルイくんは俺に「諦めたわけじゃねぇから」と耳打ちをし、再びウィッグを被って帰って行った。

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