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「まぁ最初にしては良い方か。今日はこれで勘弁してやるよ。…ハル、イかせてやれ。」 「んっ、りょーかい。」 根元を握ってたハルの手の力が緩くなり、徐々に押し寄せてくる快楽の波に心臓が高鳴る。 やっとイケる…、これで、やっと…。 「ぁ、あっ、はや、く…っ、」 「はいはい、そう急かすなよ。」 フッと笑ったハルが先っぽをパクリと咥えた。 「あ……っンゥッ…!?」 高い喘ぎ声がトイレ内に響き渡ろうとした瞬間、この前と同じようにナツが俺の口を塞いでそれを阻止した。 急になに、と振り向こうとしたが何故ナツが俺の口を塞いだのかすぐ理解する。 「…声出すなよ、ナオ…。気付かれる。」 「ん…っ、」 トイレに誰か入ってきたのだ。 俺はナツの言葉にコクコクと頷いて、静かに鼻で呼吸をする。 ハルもそれに気が付いたようで、動きがピタリと止まっていた。 「チッ、授業中だろうが…。」 ボソッとナツが悪態をつき、その人が入ったであろう隣の個室を睨み、出ていくのを待つ。 その間、俺はずっと寸止め状態でとてもツラく、イケると思った矢先のハプニングに、俺の腰は早く早くとカクカク揺れる。 「…っンぅう…!」 そんな俺を見兼ねたハルが、ジュル…と先端に吸い付きながら、首を上下に小さく動かしてくれた。 「…隣に人いるんだから、声抑えろ。」 「ん…ッ、ふ、ンンッ、」 ナツの手に力が入り、声が押し殺されていく。 「ぅ、ンゥ…っ、」 くるしい、きもちいい…だめなのに、人がいるのに…きもちよくなる。 ずっと我慢させられてたからか、俺の絶頂はもう近くて早くも内腿が震え始める。 「ふっ、ふっ…!ぅ、ンん….!」 も、イく…っ!! 「あの、大丈夫ですか?」 「「「っ!?」」」 イく直前、隣の個室から声をかけられ俺たち三人は肩を震わせ動きを止めた。 「なんかずっと唸ってる…?声が聞こえてくるから…。」 背中から伝わってくるナツの心臓の音は、俺と一緒で結構な速さで鳴ってる。予想外の出来事に、俺たち三人は放心状態で誰一人その問いかけに応えることが出来なかった。 「…?あの…?本当に大丈夫ですか…?」 「…っあ、あぁ…大丈夫…です…。」 だがハッと我に返ったナツが返事を返し、俺とハルはバレないよう必死に息を殺す。 「あ、急にごめんね?僕、お腹弱くてさー。」 「そ、そうなんだ、一緒だ…俺も、弱い…。」 「…そうだ、僕がいつも飲んでる薬あげるよ!結構効き目いいから!」 なんてセリフの後、ジャーと水が流れる音が聞こえ、ガチャッと隣の個室の鍵が開いた。 そして手を洗った後「取ってくるから待ってて」と言い残して走って出て行ってしまった。 「っやべぇ!戻ってくる前に行かなきゃ!」 「待ってよ…!俺まだ…っ!」 焦ったハルが個室から飛び出すが、俺はおっ勃たせたままで出れるわけがない。 それにもうずっと寸止めを食らわされていて今更我慢も出来るはずがなかった。 「でも早くしないと見つかるだろ!俺先に行くからな!」 「えっ、ちょっ…!ハル!」 なのに、ハルは引き留める間も無くバタバタと男子トイレを後にしてしまった。

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