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「あーあ、薄情なやつだなぁ。」 俺の背後でナツが笑いながら言う。 「ナ、ナツ…っ、俺、もう…っ!」 「わかってるって、俺がしてやるよ。」 ナツの手が俺のモノを握り上下に動いてく。 それは待ちに待った快感で、俺も望んでいた事だが…。 「あっ、待っ…とび、ら…閉め…っ!」 個室の扉が開きっぱなしなのが気になって、集中出来ない。 だってさっきの人が戻ってきたら? 別の人が入ってきたら? こんな姿、見られたら…? 「ひ、ぁっ…!」 「おいおい、さっきよりもすげぇ反応してんだけど?」 興奮してんの?なんて言いながら容赦なく手を動かし続ける。 「あっ、ゃっ、ナツ…まって…っひぁッ!」 「んー、大丈夫、大丈夫。」 後ろから、うなじや耳を軽く舐められ高い声が出てしまう。 抵抗しようにも今の俺にはそれが出来なくて、ナツが大丈夫って言うなら大丈夫かも…なんて思い始めた時。 「…ん?誰かこっちに向かって来てる。」 と、俺の耳元で囁いた。 そこで耳を済ますと、確かに廊下からこちらに向かってくる足音が聞こえる。 「…っ、ナ…っあンッ!」 「ほらほら、声抑えないと。」 ドクドクと心臓の音が早くなり、もうやめなきゃと思ってもナツは楽しそうに俺の反応を見ては、気持ちいいところを刺激してくる。 「あっあっ、やら…っくる、きちゃう…っ!」 「ナオがイくとこ、見られちゃうよ?」 そしてトイレの扉が開き、誰かが俺たちの個室の前に来た瞬間。 「あっ、やっ!イ…ッひあぁあ…っ!!」 俺は耐えきれず、声をあげ仰け反りながら達してしまった。 「ぅあ…ぁぁ…ッ!」 ずっと我慢させられていた分絶頂は長くて、しばらく痙攣が止まらず、次第に涙が溢れる。 見られた…、誰かに見られた…。 俺の、こんな…。 「うっ、ふ…っうぇぇんっ!」 恥ずかしくて情けなくて堪らなくなった俺は、顔を手で覆い隠す。 男に触られて、女みたいな声を出して、知らない人に見られながらイってしまった…。 「もー!ほらナオ泣いちゃったじゃん!」 「っ!」 「たく、ナツがいじめるから!」 「ハ、ル…っ?」 聞きなれた声に顔から手を離すと、個室の前に立っていたのは出て行ったはずのハルだった。 「よしよし、後でナツのこと何発でも殴らせてやるからな〜。とりあえず早く拭いて、ここから出ような、ナオ。」 ハルは俺の頭を撫でてから、トイレットペーパーを手に取り、汚れた場所を拭いていく。 先に戻ったとばかり思っていた俺は軽く放心状態だったが、ハルはそんなこと気にせずズボンまで履かせてくれた。 「前髪だけ少し洗おうな〜、ナオ。」 顔射の名残を洗うべく、言われるがまま洗面台で前髪を濡らす。 「俺はハルのことだから途中で引き返して戻ってくるって思ってたぜ?なんだかんだ心配性だからな。…まぁでも、ハルじゃなかったらどうしようかとハラハラはしたけどな!ははっ!」 「お前って奴は…っと、洗えたか?早く行こうぜ!あいつが戻ってくる。」 ハルとナツに手を引かれ、バタバタと走りながら男子トイレを後にした。 「…やっと出て行ったか。さて、次はどこでサカるのやら…。」 その光景を誰かが物置化した教室の陰から見ていたなんて知らず…。

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