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 オレも正直、動揺してたんだよ?  ショック受けてたんだよ?  だってガチで春真とヤッちゃったし。  ほんとヤるつもり無かったんだって。  けどさ、春真が悪いんだよ──煽るの上手いんだもん。  興奮してる時にどんっどん油注いでくるんだもん。  ちんこに全部血が集まって、ワケ分かんなくなるでしょ。男なんだから。  マジギレしなくたっていいのに。  ほんとに2週間も出禁にするなんてさ。  それでも夜景の見えるレストラン連れてって、  「誕生日おめでとう」って言ったら機嫌直るんだから甘いよね。  今日はこのまま徹底的にご機嫌取ってやるよ。  おまえ無視すんだもん。  学生の時にした喧嘩だって、口きかなくなるなんてなかったのに。  辛かったんだって。 「はい、誕プレ」 「マジでいいの?ディナーも奢ってもらったのに……すっごいお洒落なスタンドライトだな。意外に秋彦ってセンス良かったんだ。……ありがとう」 「飯は消えモノでしょ。形の残る物も欲しいじゃん。記念日なんだし」  全然、気にしなくて良いよ。  お前んちの照明、消灯か全灯しか無くてムード盛り上がんないからさ。  ほらな、すっごい雰囲気出るじゃん。  裸に映えるって、この暖色のライト。 「…………」  なにポーッとしてんの。  ああ、おまえ甘ったるいの大好きだもんな。  肩抱かれて、空気に酔っちゃったのか。  じゃあとっておきのサービスしてやるよ。 「プレゼントまだあるんだけど」 「え……もう、いいよ。そんなに、悪い」 「モノじゃないよ。春真ってさ、甘々に弱いだろ。甘いセックスも好きでしょ」 「は……?そりゃ……乱暴なのより良いだろ……」 「しよっか。とろけそうに甘いやつ」 「……秋彦には出来ねえよ──そんなの──」  目、泳いでるけど。  それにしても否定が弱い、弱すぎるよ。  出来ればしてもいいって意味になってるよね、それ。  これいけるわ。すっげえチョロい。 「できるから試してよ」 「し──ねえ、よ……ん、ふ……っ」  はいダウト。  じゃなんで見つめてからのキス、大人しく受け入れたの。  完全にキス待ちだったじゃん。  遠慮なく攻めていいよね? 「好きだよ、春真」 「──なっ……うそ……つくな、ばか」  好き好き攻撃は鉄板だよね、甘々っていったら。  真っ赤になった春真の反応、いいよ。気分上がる。 「嘘じゃないよ。春真かわいいから。ね、オレのものにしていい?いいよね、全部ちょうだい」 「っ、なに……言って……」 「ココこんなにしてさあ──春真もオレのこと大好きなんでしょ」 「や……っ、っは──」  すぐ目がトロんってなっちゃうんだね。  ちんこ勃ってるくせにね。エロかわいい。 「ほら言って。オレのこと好きだって」 「す……好き……秋彦が……オレ……」  春真もノリノリじゃん。  こういうの、成り切った方が気持ち良いって分かってるね。 「オレ──ずっと、秋彦のこ──んぅ──」  はいお約束。喋ってる途中で唇奪うやつ。  もどかしいよね。やってみたかったんだー。  ちょっと待ってよ何してんの──オレの上着掴んで、上目遣いを潤ませてさあ。  むしゃぶり付きたくなるから──煽んないで。  なんでオレが深呼吸しなきゃいけないの。  ……仕方ないから今日は優しく脱がしてやるけどね。  ほんとはそのネクタイで、手首縛り上げたいんだよ?  ああそっか。春真に愛撫するのって初めてだね。  オナニーと、お前いわく強姦だもんね。したことあるの。  やっぱ乳首がすごく感じるんだ。いっぱい弄ってやるよ。  なんでそんなに恥ずかしそうにしてるんだよ。  オナニーの時すごい大胆だったじゃん。  ──なに?そんなにしがみついてきたら触れないだろ。  くっそ──優しくするのって、こんな難しいっけ。  おい、何だよそのキス。なんで言ってないのに、好きだって聞こえてくるの。  なんか……腹の奥がムズムズする。なんだよこれ、やりにくいんだよ。  もっと舌よこせよ──ああ、オレ乱暴になってるじゃん。もう抑え効かねえし。  ──こんなんじゃなくて思いのままにブチ犯したいんだけど。 「は──もう、挿入(いれ)ていい──?」 「ああっ、ん、──うん。いい……いいよ……」  お前もなんだよ。こないだ挿入(いれ)る時は友情終わるまで言ってたくせに。 「……っ、秋彦、秋彦っ……あっ、は、  ──好き、オレ、お前が好きだから──っ」 「は、ぁ、春真オレも、オレも好き……  好き、だよ──っ、春真……ん、気持ちい  ……もっとだよ、お前をもっとくれよ──」  セックスしてる時の好きって、すげえパワーワード。  マジで怖くなる。  頭とちんこ溶けそうになってるよ──。  中がさ……信じらんないくらい、トロットロなんだけど。  なんで?お前すごい感じてるから?  全身で好きだって言われてるみたいで……本気かと思うじゃん。  そんな突いても抜いても全部で纏わりついて来られたら、全然()たないって──。  ……変だな、頭がボーッとする。  好きって言い過ぎて自分で暗示に掛かったか?  ちょっと仕切り直さないと、マズイいよコレ。 「もう、オレだめ──出、して秋彦……中に、出していい、から──」 「ん、春真……オレも……イクよ、あーきもちい。もう、イく、出すよ」 「っあ、うん。イく……っ、は──っ、なんで……?あきひっ……ん、んんっ──」  は、チクショウすごい息切れた──。  なに?なんで腹の上に出したかが、分かんないの?  お前が中に欲しがったからだよ。  欲しいのに貰えないの、切なくって良かっただろ──? ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 「あぁー。すごい……盛り上がったね。恋人プレイ」 「──!?!?…………。  ……ああ……プレイ…………うん」 「ちゃんと甘かったでしょ。好きって言うたびに妊娠するかと思っちゃった?」 「思うかバカ。ホントなんなんだよ、お前さあ……」 「オレとしては、おまえ男だし、やっぱガンガン腰振りたいけど、たまにはいいかも」 「死ねよいっぺん」 「えー?なんで機嫌悪いんだよ。良くなかったの!?んなわけないよね?」 「あーはいはい。良かった良かった。  もういい。オレ寝るから。抱きまくらでもなんでも、好きにしろよ」

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