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「んぁっ…あぁっ…あん、あんっ」
英理の口からひっきりなしに甘い声が漏れている。
うつ伏せになった英理の背後から、男の金棒が入り口の襞を巻き込みながら激しく出し入れされていた。
一度中出しされたそこは、白濁と蕩けた媚肉のおかげでぬかるみのようになっている。
すっかり淫らに躾けられたそこは男の容赦のない抽挿にも喜び、奥に引きずり込もうとひっきりなしに畝っていた。
「あぁ、…っ、っうぅ…あぁぁ」
あらゆる個所に突起をつけた金棒が英理の敏感な前立腺を刺激してくる。
下腹部がビクビクと戦慄き限界が近いことを訴え、英理は背中越しに男に向かって懇願した。
「も…いくぅ…っ…イっちゃうぅっ」
「まだダメだ。しっかり溜めてろ」
男は酷薄な言葉とともに英理のぱんぱんに膨らんだ睾丸を思いっきり揉みしだいてくる。
「っぐ…ぁあぁぁあぁっ!!」
揉みしだかれたことによって押し出された精液が先端からぴゅくぴゅく…と迸った。
しかし、英理は唇を噛み締め全身を硬直させるとすんでのところで射精を堪えた。
解放する事ができなかった快楽が、マグマのような灼熱とともに内臓を熱く焼いてくる。
「よく耐えたじゃないか英理」
後ろから伸びてきた手が英理の後頭部をくしゃりと撫でていく。
その感触に肌を粟立たせながら、英理は再び勃起した先端から露を滴らせた。
あの日から、英理はこの男のものとなった。
団地の規律を乱し、反抗的に鵜瀬に噛み付いていた英理だったが今ではすっかり彼の奴隷として立派に役に立っている。
男の命令は相変わらず容赦がない。
あの手この手で英理を屈服させ、恥ずかしいことを強要してくる。
この前はエレベーターの中で失禁させられた。
その前は踊り場で犯されて、その前は真夜中の駐輪場でハメ撮りされた。
しかし今の英理にとってそれらは褒美だ。
鵜瀬から与えられるものは何ものにも代え難い喜びであり、褒美だとしっかりと植えつけられているのだ。
「あぁ…も、もうイかせて…っあぁん」
吐精を制止された上激しく突き上げられて、英理はシーツに縋りながら泣き喚いた。
我慢できず粗相したものが壊れた蛇口のようにポタポタと滴って、シーツにシミを作っている。
「ダメぇ…だめっ、おかしく…なっちゃうぅ…うぅっ」
「おいおい。お前はとっくの昔におかしくなってるだろ?」
男が呆れながら笑う。
そうだ、もうおかしい。
一度壊れてしまってから、英理はもう自我というものを手放したのだ。
あるのはただ一つ。
惜しみない服従心だけ。
「ほら、お前は何だ、言ってみろ」
男の昂りの先端が最奥を突き上げてきた。
ピアスの丸みが、腸壁を押し上げ狭い英理の中を抉じ開けようとしてくる。
快楽に陶酔しながら英理はためらう事なく口を開いた。
「ぁあんっ…英理は…メスです…洋一さんの…メス奴隷です…」
ついでに尻も振ってみせる。
「いい子だ、英理」
男は満足げに笑うとうねる粘膜を掻き回すように腰を動かしてきた。
ピアスの突起が媚肉のあちこちを刺激していく。
「ぁあぁぁぁ…すごいぃっ、すごいぃぃ」
英理はわなわなと震えながら素直の快楽を口にした。
「これが好きか?」
「はいぃぃ…好きぃ…好きですぅ」
呂律も怪しげに英理はこくこくと頷いた。
瞳はどこでもない宙を見つめ、時折白目まで剥いている。
今や快楽を得る事しか頭にない、まさに性奴隷そのものだ。
「お前は優秀だよ、英理。イけ」
男の言葉とともに英理は背中をしならせるとようやく快楽を解き放った。
くったりとシーツに沈み込む英理の四肢に枷が嵌められていく。
その光景を抵抗する事なくぼんやりと見つめていた。
一度めは初めてここに連れ込まれたあの日。
その次は、英理の性器を初めて針が貫通した日だ。
暴れたら危ないからと、手足を拘束されて…太いニードルの先が肉を貫いた。
あの痛みと恐怖は想像を絶していた。
「今日は特別にいい子だったから褒美をやろう」
男が指し示したのは胸の先にある乳首だった。
性器より幾分かマシな気はしたが、それでも敏感に開発されたそこに穴を空けられたらどうなるくらいかは想像がつく。
「ここにも可愛い飾りをつけてやる。嬉しいだろ?英理」
狂気を含んだ言葉とともにニードルを見せられて、英理の瞳が恐怖に染まる。
しかしその瞳はすぐに恍惚としたものに変わった。
「…はい」
英理はそう言うと鵜瀬に向かって柔らかく微笑んで見せたのだった。
end .
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