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第14話

   誠也は武者震いがする思いで、むっちりした足をVの字に割り開き、左右それぞれの肩にかついだ。  穴に照準を定めて穂先をあてがうと、感動の嵐が心の中で吹き荒れる。カウントダウンがはじまるなかで、熱っぽく囁く。 「ついに本当の新婚初夜だな。感無量だけど心配だ。タガが外れて、がっつき放題にがっついてしまうかもしれない」 「おれを変に気づかってセーブしたらプンスカなんだからね。たくさん、愛してね?」  キスを交えたやりとりを挟み、三割がた分け入った段階では、 「きつい、ムスコがひしゃげる、へし折られそうだ。翼くん、痛いよな、大丈夫か」 「へい……き、あ、ぁん、ああっ!」  奥へ奥へといざなうように、内壁がうねりはじめるまで小休止を余儀なくされる一幕があったり、 「やぁああん、、そこばっか突いて、意地悪ぅ……っ!」 「可愛いよ。もっと、よがって見せて  スイートスポットが甘やかに、且つ執拗に狙い撃ちされて蜜がしぶいたり。  と、いうぐあいにBLでおなじみのエピソードは枚挙に(いとま)がないが、あえてご想像にお任せする。  めきめきと腰づかいが上達し、豪快なピストン運動にソファががたつくのを祝して、ばななマンがクラッカーの紐を引いた。  脱・童貞&初合体と書かれた紙テープが、ふたりひと塊に快感の海を泳ぐ裸身に降りそそぐ。  象の鼻がパオ~ン。白濁がどぴゅぴゅと迸り、筒全体にしみ渡ったと確信したからには、長居は無用。きらきらしい学ランを翻して立ち去る、ばななマンの背中に声がかかる。 「ありがとう、ばななマン」  右手を軽く挙げるにとどめて、別れの挨拶に代えた。礼には及ばない。抜かずの三発の実現に貢献することができて満足なのだ(う~ん、粋だねえ)。     ◇◆◇  天邪鬼なムスコに困り果てている少年よ、青年よ、はたまたロマンスグレイの紳士よ。  彼は日本全国どこへでも出張する。そして熱血指導を武器に、愛とエロのお悩みを解決してくれる。  合い言葉は「ばななマーン、助けてぇ」。      ──了──

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