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第13話

 ペニス・ストレッチは序の口で、道のりは険しい。  熱した(はがね)を打ち鍛える刀鍛冶に倣い、ペニスを冷水と熱めの湯に交互に漬ける、という課題を与えられたさいには血の涙を流した。  基礎固めを終えると、ペニスに錘が吊り下げられた。  五グラム、十グラム、十五グラム、と負荷をあげていくことによって、挿入時に柔壁が狭まって押し戻されても、猛然と突き進むパワーを養う。  そこに主眼を置いた訓練だ。  ただし特訓に次ぐ特訓の模様を詳細に記しては冗漫の(そし)りを免れないため、ダイジェスト版で紹介するにとどめる。  そんなこんなのすえに誠也のペニスは、いわば脱皮を果たした。形状記憶合金のように、たとえ中折れしても〇・一秒で復活する、よい意味での図太さが(そな)わったのだ。  かくして硬くて大きくて長持ちする、という三拍子そろった名チンが誕生した。 「翼くん、長らくお待たせしました。呪いは解けた、今度こそひとつになろう」 「うん、うれしい」  翼は桜色に染まった頬にエクボを刻んだ。ソファに仰向けに横たわると、腹の肉がぷよぷよと層を成すに任せて、足をくの字に立てた。  そしてジャッキアップするように腰を浮かせて、惜しげもなく秘部をさらす。  ガマン汁にまみれるまでに臨戦態勢が整っているにもかかわらず、花園を目の当たりにしたとたん逆らうムスコに、幾度となく煮え湯を飲まされてきた。  しかし誠也はひと皮むけた。妖しく艶めいて、淫らに咲き匂う花芯をガン見しても、もはや視界にモザイクがかかることはない。  それどころかハ〇キ〇ーペをかけているように、しどけなくギャザーがめくれるさまもバッチリ、くっきりだ。ムスコにしてもガッチガチに猛って、火を噴くようだ。    余談だが、翼はその気になればセルフフェラができるくらい躰がやわらかい。  後転の途中で静止したバージョン、というふうに陰門が真上を向くまで躰を折り曲げた。

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