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「はぁ、っ……志鶴さん……」
「――海、」
「あっ……」
開脚させた海の脚の間で、志鶴が膝をつく。そして、そこでコンドームを装着すれば、海はその様子を熱っぽく見つめた。本当にこれから抱かれるのだと、体の奥を熱くさせながら。
志鶴は準備を終えると、ぴた、とそこに自身をあてがって、先端でゆるゆると撫でてやる。彼のものからあふれ出た蜜と、コンドームのジェルを馴染ませるようにして、先っぽだけでぐにぐにといりぐちを暖める。
「あっ、あぁっ……し、しづるさん、」
「ん? もどかしい?」
「はい、……ん、ぁっ……」
「はは……可愛い」
しかし、そんな志鶴の行為に海はじれったさを感じて、自ら腰をゆらゆらと振ってしまっていた。しんどそうに顔を赤くして、何度も唾を飲み込みながら、それでも挿入されるのを素直に待っている。そんな海の姿が、志鶴にはいじらしく映って、自然と笑みがこぼれてしまった。不思議といやらしく見えないのは、彼が求めているのが快楽とはまた違うものだからだろうか。彼は志鶴がくれる優しさや温かさが欲しくてたまらなくて、濡れながら、志鶴に抱かれたがっている。
「じゃあ、いれるよ」
ぐ、と先端を押し当て、いりぐちにぴたりと嵌める。そして、ゆっくりと腰を押し込んでいくと、ずぬ……と静かになかにはいっていった。
「ぅ、あっ……」
「痛くない?」
「だ、だいじょう、ぶ……」
いりぐちがぎゅうぎゅうとしていてきついので、志鶴は内心ひやひやとしながら挿入していったが、海は思いのほか平気そうだ。息をきらしながらも、志鶴のことをじっと見守っている。
「……っ」
なかが思った以上に熱くてふわふわと蕩けているので、志鶴は少しばかりの感動を覚えてしまった。挿入だけでここまでの快楽を伴うと思っていなかった志鶴は、はあ、と大きく息を吐いて体内の熱を逃がす。熱に浮かれて彼を我欲のままに抱いてしまわないように。
「ぁッ――は、ァっ……!」
最後まではいると、海はびくびくっと仰け反って悲鳴のような嬌声をあげた。猛々しく、大きな雄だ。最後までいれれば、それだけで強烈な場所を強く圧迫することになる。
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