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オレがついた嘘

「ごめんな、幸成。やっぱりオレ、青斗の事が好きだって誰か1人には知っていてもらいたかったんだ。誰からも青斗を嫌ってるって思われたまま、死にたくはなかった。だからって、もう宮都の家に関係がないお前を巻き込むのは、身勝手なんだろうけど」 「大丈夫だよ、気にすんなって。弟の心配をするのは当たり前だろ。世間や親がなんて言おうと、オレはお前のアニキなんだからさ。お前の青斗への気持ちも、お前の本音も、全部オレが秘めておいてやるからさ」  オレが頭を撫でれば、安心したように花乃が笑った。本当に弟を案じるのなら、自殺しようとする花乃を止めるのが兄として正しいんだろうが、さんざん宮都の家に振り回された花乃のサイゴの願いを無視なんてできない。  だったら、青斗を守るために死ぬと決めた花乃が、せめてオレに「オレが青斗を好きだったって覚えていて」って伝えたなら、叶えてやるだけだ。  でも、ごめんな、花乃。  オレが思い出したのは、花乃がオレに伝えた花乃の本音。  それから、花乃が青斗に伝える前についた、オレの嘘のこと。 「オレはやっぱり、愛しあってるお前等を引き裂くことなんて、できなかったみたいだ」

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