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序:双子にご用心
友達の祐希と辰巳に誘われ、僕は二人の家へ行った。
祐希と辰巳は、双子の兄弟。
兄の祐希はどこかおっとりして、爽やかな秀才。
弟の辰巳は、快活な体育会系。
二人とも容姿端麗だから、大学では凄くモテる。
そんな二人は、ただ同じ学科を専攻しているだけで、なんの取り柄も無い僕とも仲良くしてくれた。
特に祐希は、なにかと用事を押し付けられる僕を、いつも気遣ってくれる。
だから僕は――優しい祐希に、恋してしまった。
もちろん、男同士でそんな事が許されるはずも無く、祐希に伝える積もりは全くない。
ただ側にいられれば、それで良いと思っていた。
それなのに、一緒に酒を飲もうと誘われたら、もう有頂天で――
二人に進められるまま、飲んで飲んで、飲み過ぎて……
いつの間にか、僕は寝てしまったらしい。
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