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第1話①

  世の層は 天界 人間界 魔界 の3層  その中で力を持ち、示しているのは天界ではなく魔界  天界の力と五分と見せているように見え、実は天界より理解のある生き物  それが、魔界を収めている“魔王(ルシファー)”であった。  ルシファーは寿命というモノはないが、生まれた実の子の誰かに地位を委ねようと考えていた。子は5人いる――  その中で末っ子が問題児であり、魅了をもった魔族だった。  魅了とは、誰もが相手を『虜』にしてしまう特殊なもの。ルシファーが上に立ち纏める事が出来るのは、この魅了のお陰だったりもする。  そして末っ子の名は ルガー   漆黒の髪と野心に燃える赤い目 それに見合わない白い肌  人間が見たら、一度は目に入れてしまうほどの美人だ。が、性格は―― ++++++ 「ひっ……」 「ほら、ガンバレよ。俺が良いって言うまで、は!」  魔族のパートナーにあたる夢魔を自分の所有物のようにエナジーを吸い取る“悪魔”のような性格だった。  今も自分の周りにはびこる友人とは呼べない、同い歳の魔族のパートナーを食い物にしていた。もうすでに何人か“食べていた”のであろう。周りには倒れた夢魔達が沢山いる。  そう。“食べる”とは、夢魔と体の関係をとる事であり、そこから力を奪い取る事だ。普通なら加減しないとならない。夢魔の生命に関わってしまうからだ。  あまりにも絞り取ると死んでしまう―― 「な、なぁ。ルガー、そろそろ俺の夢魔を離してくれないか?」 「コウ……お前、いつから俺に指図するようになったんだ?」 「――っ」  どんなに魅了なルシファーの末っ子であろうと、性格がゆがんでは元も子もない。 「あ……かはっ」 「っち、エナジー切れか」  まるでモノのように投げ捨てる夢魔をコウは、慌ててキャッチして心配そうに覗き込む。命に別状はなかったのか、ホッと安心そうに胸をなでおろした。 「あーあ。俺、行くわー じゃな、ごちそーさん」  食べている理由?特にはない。ただうさんばらし、自分にヘラヘラしてくる奴らへの当てつけもある。そして、自分の強さを指し示したいってところであろう。いわゆる、若気の至り――  ルガーは、軽く体をならして、自分の服を着なおして立ち去ろうとした時だ。コウと呼ばれた男が呼び止めた。 「おい」 「何?喧嘩売るき?俺、ここらじゃ親父と互角にできるほど、強いって知らないわけじゃないだろ?」 「違う。教えるか悩んだんだが……南の奥のサイレントフォレストって樹海あるだろ?」  思い浮かべながら相槌をうった。 「あそこに“魔女”と言われる奴がいる。そいつの魔力はとてつもなく旨いらしい……」 「へぇ……」 「だが、そこへ行って帰ってきた奴はいない。どんな奴でもな…」  その言葉にピクっと反応した。その表情を待っていたのであろうか、コウは言葉を続けた。 「魔女だからな、“普通”の魔族じゃ相手にもならないらしい……魔力を求めて行ったやつは最後には、全てを『食らわれる』らしいぜ」 「……」 「ま、俺らのパートナー“しか”食わない奴には、近寄るのも無理な話だろうがな――」 ズガンッ  周囲に地響きが起こった 見るとルガーの足元の地面が何か重いものが落ちてきたように、えぐれていた。相手の言動からしてどう考えても、罠と挑発 だが、その挑発を意図もたやすく買ってしまった。 「食えないかどうか、俺が試しにいってやるよ……」 「……そうかよ。だったら賭けをしようぜ?もしも“どんな理由で食えなかった”となったら、俺らのパートナーをもう手を出さない…って誓いな」  凄むコウを上から目線で睨みながら、それを承諾する 「ああ、良いぜ?その代わり、俺が無事成功したら 今度はお前らをただじゃおかねぇ……な?」  その表情に寒気さえ覚えたが、コウには自信があった。  ルガーが負けるという 確証が――  森の奥へ入って行くと、家が1つ建っていた。 「この家か?」  取り敢えずノックをしてみると、一人の女性が出てきた……いや。 「お前……男か?」 「いきなりのご挨拶ですね、ええ男ですが何か?」  現れた人物は、中性的な顔立ちで一瞬見ただけでは、女性と間違えるほど綺麗な男だった。ローブを着ているのが、また原因の1つかも知れない。 「俺は魔女を探しに着たんだ、男には興味ねぇよ」 そっぽむいて、場を跡にしようとした時、話を聞いた男は言う。 「ああ、それ。私ですよ」 「は?」  それはそれは、とても良い笑顔で―― 「こんな場所で暮らしてこんな格好でしょう だから女性と間違われるんです ですが、魔女じゃないですが 魔法使いではあります」 「とりあえず中へ」と招き入れられ、いざテーブルで紅茶を一緒に飲みながら 説明する男性。あきれて言葉も出ないルガーが思い浮かべるのはコウの事 (なんだよ……女を食えるかと思ってたのに、あんにゃろ 俺が男を食べれないと思って図ったな)  悔しい気持ちのルガーは、説明をする男の話も聞かず立ち上がると、近寄っていった。やけくそなのだろう“食う”事を決意したのだ。 「おや、どうされました?」  椅子ごと体をルガーに向けられたかと思うと、魅了たっぷりの態度で椅子にひざをつき、近づけて耳元で呟いた。 「なぁ、せっかくだ。魔族を味わってみないか?お前の体で」 「……ほぅ」  男もまんざらでもない反応をしめす 「お前の魔力、俺はどーしても興味があるんだ……いいだろ?」 「ええ、かまいません」  抵抗されると思いきやあっさりと承諾されてしまう。気が抜けて顔を相手の耳から離して男を見た。男は、綺麗は微笑みで続けてこう言った。 「喜んで“味わう”事にします」 「へ?」  肩に手を乗せられルガーは、上の服をソッと脱がされる。それはまるで、脱がされる為のようにスルッと脱げ落ちたのだった――― 「なぁ、コウ」 「ん?」  気絶しているパートナーを足枕をしてあげながら、頭をなでているコウを仲間の魔族が訪ねた。 「大丈夫かな……」 「ああ、決まってんだろ」  彼、コウの確信――― 「あの魔法使いは、ただの魔族じゃない。あいつの力を求めて消えている奴がいるのも事実。男だとガッカリして帰ってくるなら尚更OK。だがな、行ってまともに帰ってこれた奴が居ないのが理由なんだ。どっちにしろ、ギャフンと言わせられるのさ」  罠にかけた事が嬉しいのか嫌な笑みを浮かべる。それに対して、仲間も納得せざるおえなかった。 *** 「な、何、しやがる……」 「あなたが、私を食べたいって言ったのでしょう?」 「俺が、お前食べるんだから何もするな!」  あばれようとするが抵抗ができない、どうしてなのか自分でも理解ができなかった。いつもの自分の戦闘能力も発揮できないでジタバタと抵抗をする―― 「何を言ってるのでしょうね…今の姿で、私を食べたいと?」  そう言われてハッと気が付いた。  男より小さい押さえつけられている自分の手……そして、ムズムズと感じるお尻のあたりに見えるのは、“尻尾”だった。  ただの尻尾ではない、これは―― 「う、うそだ……こんなの…」 「私が、あなたに何もしないで 家に招き入れると思ったのですか?」 「ひっ」  首筋をペロっと一舐めされ、恐れるような声をあげた 「おや、あなたは夢魔を貪るのに、こうされた事ないのですか?」 「なんで…それを……」  まるで自分の事を全て知ってるかのような口ぶりの男  すっぱだかにされた体をやさしく愛撫され それがまたムズムズして変な気持ちになってしまう。そして乳首をすいあげ、片方の手は彼の性器を愛撫する。 「あ…あぁっや……ダメ――!」 「あなたから遣りたいって言ったのです…どうぞ 私を楽しませてくださいな」  溺れそうになる自分の体と心をなんとか支えようとするものの、男は上手く自分の体を慣らしてくる。 「あ、あ……ヒッ」 「ちょうど、私も使役が欲しかったので“殺す”のは惜しいです…良い魅了もお持ちだ」 「だ、だれが、ひさまにゃんか……」 「その言葉も正す為、今日は沢山教育してあげましょう」 「ひゃ、ひゃら……ひぅ」  呂律がまわらないルガー  これからどうなるか不安でしょうがない衝動にかられた。

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