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幕間1

<ルゥからのあらすじを含めてのお話> 幕間(まくあい)、何すれば良いのか――じゃぁ、とりあえず、説明を…… 俺がこうなる前は拗ねた子供だったけど、今じゃ本当に見た目は10代半ばの姿をしている。 ただ身長が変わっている訳じゃない。“夢魔(むま)”と言う者に姿を変えられ、今にいたる。 この世は3つの層で成り立っている 天界、人間界、魔界―― 魔界は下の層にあるからではないが、縁の下の力持ちな立場にあるって“親父”が言ってた。 (あいだ)にある世界を支えてるのは、天界と魔界。天界は何もしないから(見てるだけ)魔界が支えている――らしい。 魔界が無くなって困るのは住人だけでなく、天界も困ると言う事。 その為、天界は簡単にこちらには手を出せないのだ 魔界には簡単に分け―― “魔族”、“夢魔”、“妖精” (謎の魔法使い) 最初の2つは互いに支えあう存在で、2つは互いにパートナーとなる(つがい) 夢魔の仕事は、溜めた(エナジー)をパートナーの魔族に渡す。 力を溜めるにも、彼らは人間界へ行って少しの生命(エナジー)を貰いに出かける それが夢魔の仕事。 魔族はこの世界の生活の支え、魔王(ルシファー)の補助など色々な役割がある。そして、疲れ知らず……と、言うのは、夢魔がエナジーを渡しているから…みたいだけど(うんうん) そんな俺、ルガーことルゥも実は、父であるルシファーをギャフンと言わせる為に、エナジーをかき集め、強さを示そうとしていた。 何をしても否定されていた自分が、“末の子”だからだと悲観して兄達の話も親父の話も聞こうとしなかった。その結果、元友人であるコウやパートナーに酷い事をする事でその寂しさを紛らわしていた。 だけどその報いってやつか、友人達には捨てられた……。 コウに(いざな)われて向かった先。そこは、ある住人だった。 俺が世間の勉強不足だったのもあり、そこには“魔法使い”と言う異名を持つ男が住んでいたんだ。どうしても尋ねる理由があった。それは、コウと賭けをしていたから 『そいつのエナジーを食えなかったら、もう見境なしな事をしない』 それが条件 そんな事、俺にとっての偏ったプライドが許さな……偏ってて、悪かったな…ぐすっ……俺の楽しみの食事を取られたら、残るのは空しさと父と兄から疎まれる自分の姿 その恐怖に打ち勝つ自信がなかったんだよ――― だから何としても成功させるつもりだったし、自信も大有りだった! 俺は強い……兄より強い自身あるし親父にも勝てる力と能力があると思っていた。 国を治める親父より強い奴が居るわけがないという傲慢な考えが、身を滅ぼすことになった訳なんだけど…… ある男に招き入れられた俺は、普通にもてなされて用意された紅茶をほおばる。招待しても警戒していたその男。 それに気がつかなかった俺もマヌケだけど…気が付かないうちに事を起こしていたんだ。“何か”が仕組まれていて、それのせいで俺は姿が縮んだだけでなく、見た目まで変えられていた…。薬じゃないらしいよ?なんか……シフォンが言ってた…し……んだよ、俺は信じとくよ…違うって言ってるから(むすっ) その後は…… あんまり口で言いたくないけど、初めてで……あの……シフォンとノエル…それにコ―― だあああ!言わねえよ!言わないからな……!恥ずかしい事を口にするほど、俺は破廉恥じゃないからな…絶対、説明しない…べ、別に…顔、赤くなってないんだからな…… …………そ、そんな感じで今に至る。黒かった髪は金色に、耳は尖がり夢魔の尻尾が付いている。耳と尻尾、これが夢魔である証拠だ だから、自分から名乗らない限り……“ルゥ”なんだ い、今の所は……説明はこれだけだよ。短くて、悪かったな…… え……いや、そんな…この態度はわざとじゃなくて、ちゃんとやってただ――あの……ちょ、待っ―― 閉幕

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