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「守弥さま……」
「っ、……咲良っ!!」
「……不細工……だ……って言われ……たのに、わたくしを……大事に……してくれて……ありが……とう……」
切れ切れに話す言葉は、どんどん掠れていく。
呼吸も途切れ途切れだ。
「やめろ、咲良……思い直せ……っ!!
頼む、やめろ……、頼むから消えるなッ!!」
懇願しても、咲良は聞き入れはしない。
「守弥さま……、どうか……しあわせに……」
「咲良……ッ!!」
徐々に冷たくなっていく華奢な体。
少しでも温かさが残るようにキツく抱きしめると、渦を巻いた風が沢山の花びらを空へと舞いあげていった。
まるで、咲良の魂魄を天へ誘うように……。
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