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石庭から平屋造りの建物に入り、守弥は咲良を抱いたままで床に座った。 「おい、大丈夫か…………?…………ん?」 咲良の様子を見ようとして、視界が制限されていたことに漸く気づく。 着けていた面を外し、袿をめくる。 瓜顔(うりざね)で低い鼻、切れ長と言うより細い目。 「…………やけにのっぺりした…、………………いや、こっちも面を着けてたのか……」 教科書に載っていそうな平安顔にドキリとしたが、頭の後ろで結ぶ為の紐が付いていたのでホッとする。 「兄さん、いる?」 「守弥、帰ったのか?」 玄関の方で聞き慣れた声がした。

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