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耳から上の髪をツインテールに結い、ばあ様は満足げに頷いてから咲良の頭を撫でた。 「さ、髪の毛も結ったし、守弥に確かめてもらっておいで」 「はい」 「……………………っ」 狼狽えている守弥の前にとてとてと歩いていく。 歩く度に髪がぴょんこぴょんこと揺れて、見守る時雨は何とはなしに思う。 『うわー……、やっぱり女の子にしか見えないよね~。 荒らっぽさが全く無くて、身のこなしがお淑やかだし。 でも、おねえみたいな感じは無いから不思議だよ。 つか、女子なら結婚したとしても幼女趣味とかアヤシイ奴って親戚連中に思われるかもしれないけど、男子なら間違いが起こりようがないし、ある意味ラッキーなんじゃ……?』 時雨は知っている。 兄が小動物っけ満載なものに弱いのを……。 それも、かなり。 『ウサ耳と尻尾つけても違和感ないかもね』 頬杖をついて見守る先に立つ守弥の前に、咲良がピタリと止まった。

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