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「さ、さわ……、確かめって、君……っ」
「わたくしの見た目がこうですので、確かめるには……その……」
狼狽する時雨に、咲良も俯く。
「皆様がいらっしゃる所で肌を晒すのは……その…………はしたないですし、…………なら、服の上から…………お確かめに……なられた方が…………」
この場で服を脱ぐのはさすがに抵抗がある。
いや、目の前で一糸纏わぬ姿になられても困るのだが。
「そうだねぇ……。
ここで脱がれても、目のやり場に困るねぇ。
見た目通りの女子なら、守弥も時雨も困るしねぇ……」
「女子ではありませぬのに………………」
髪を結われながら頬を膨らましている様は、女子以外のなにものでもない。
「確かめる役は、誰が適役かねぇ」
「え、俺はパス!
何が楽しくて見慣れたナニを触らなきゃなんないの?
万が一、女の子だったら痴漢扱いだし」
「ばばも触って構わないけど、男子だったらちょっとねえ……」
じー。
三人の視線が、一点に集中する。
「…………………………待て、なぜ皆で俺を見るんだ……」
「やっぱりさ、対……要は旦那さまの立場なんだから、兄さんじゃないの?」
「そうだねぇ。
連れ帰ってきたんだから、守弥がいいかもねぇ……。
さくら、お前さんはどうだい?」
「はい。
わたくしはそれでよいと……。
もりや様にお願いいたします」
「……………………………………」
なし崩し的に、確認役は守弥に決まった。
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