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何処からどう見ても女子にしか見えないのに、本人は男子だという。 あわあわする咲良をなだめ、ばあ様が呟く。 「そこらにいる女子よりも、余程女らしいのにねぇ……」 「確かに。 うちの姉さん達や分家の撫子に比べたら、遥かに女子だよね」 「あいつらは、ガサツというより乱暴者だ……」 姉達や従姉妹の撫子から受けた過去の仕打ちを思い出し、ブルリと身を震わせる。 乱れた銀髪をばあ様が櫛で整えているのを見ると、本当に男子なのかと思う。 長い睫毛に長い髪、通った鼻筋にプックリした唇。 巫女服のせいか、儚さを漂わせる出で立ち。 なよなよしてはいないが、優美さがある。 「何処からどう見ても女子だよ……。 どうすんの、兄さん……」 「どうすると言われてもな……」 なんの気はなしにお茶を口に含んだ瞬間、 「お疑いなら、触ってお確かめになりますか?」 ぶふうっ! 絶妙なタイミングで出た咲良の言葉に、守弥と時雨は茶を噴いた。

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