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包みをほどくと、陶器の器と手紙が入っていた。 「大好きな猫又さまへ……。 なんだよ……照れるぞ」 「いつも一緒にいてくれた葉月さまへ……。 なら、もっと一緒にいればよかったろ……?」 一人一人に宛てた手紙には、咲良の思いの丈が綴られていた。 いつも一緒にいたこと、悪戯をして叱られたこと、嬉かったこと、楽しかったこと……。 思いがけず宮を離れることになってしまったが、皆と過ごした日々はけっして忘れない。 ありがとうという言葉だけでは言い表せないくらい、幸せな時間を過ごさせてもらえた。 本当にありがとう。 生きながら鬼に喰われようとも、必ず魂魄になって帰ってくる。 だから、待っていてほしいと。 言葉も文章も、一人一人を思いながら書いたのだろう。 あちこち滲んでいるのは、涙をこぼしながら書いたからだ。 「もう作ることは出来ないかもしれないので、皆様を思いながら作りました」と、手紙は締め括られていた。 「………………ぷりんだ」 一緒に包まれていた陶器の器は、皆が一番好んでいたぷりんが入っていた。

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