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「ズキズキとするのか……?」 「いえ……、きしきし……いたします……」 「軋むのか……?」 「はい……っ」 痛みを訴える場所に手を添える。 「…………っ」 まるで氷のように冷たくて、触れている指がかじかんだ。 「待っていろ」 シャツの前を開けて中に包み込む。 「…………っ、……っ」 頬を染めて離れようとする咲良を抱き込み、体温で温めていく。 「……あ……っ」 「咲良……?」 ふるんと身を震わせた後、華奢な体に変化があらわれた。 「……あっ、ああっ!」 抱き上げている訳ではないのに、咲良の頭の位置が変わったのだ。 明らかに背丈が伸びている。 「咲良?」 「…………ぁっ、……ぅあ……ぁ……っ」 「…………咲……良?」 「……………っ?」 屈まなければ見れない顔が間近にあって驚く。 それは、守弥が覚えているものと少しちがっていて……。 本来の年齢に見合うものに成長していた。

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