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守弥が完全に寝入ったあと、咲良がゆっくり起き上がった。 背中に回された腕に触れ、ほぅと息をつく。 『………漸く……、漸く……、お会いできた……』 咲良のものとは少し違う、少女の声。 『今度こそ、お返し……できまする……』 涙が一粒ほろりとこぼれ、守弥の胸元に落ちる。 しゃりぃん……っ。 清らかな鈴の音がし、微かに光を放って消えた。 『お預かりしたままで申し訳ありませぬ。 今度こそ、間違えませぬゆえ……』 ひとつ、またひとつ、こぼれた涙が守弥の胸元に落ちていく。 『………ら……、……か』 守弥のものとは少し違う声が応えた。 『…………っ、はい……っ。 もうすぐ……、全てお返しいたしますゆえ、もう少しおやすみくださいませ……』 『ああ……』 愛しげに守弥の髪を梳いてやり、咲良は再び眠りに落ちていった。

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