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居間の柱につけられた印を前にして、守弥と時雨は腕組みをしていた。 一番低い印は大体1メートル20センチのあたり。 そこから少しずつ、日付とともに上へ印が移動している。 「一日なら2ミリくらい。 十日で2センチで、一ヶ月で6センチだよ。 やっぱり見極めの術の時に弾けたのは、封印か何かだったんだよ、きっと」 「………………。 よく気づいたな、咄嗟に」 「褒めて褒めて。 ついでに、タイムラプス撮影してたのも見てよ」 「………………」 差し出されたスマートフォンを覗くと、見極めの術をした翌日から今日までの映像が流れる。 本当にごくわずかの変化だが、一ヶ月分の記録を見てみれば分かる。 咲良が成長を始めたのだと。 「6センチってさ、子供の一年間の成長と同じだよね」 「……そう……だな……」 姫乞いの儀式の折に着ていた巫女服は、身幅が変わらずとも丈が合わなくなってきている。 もしかしたら、リミットの前に年相応まで成長するのかもしれないと、時雨は予想していた。

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