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昼御飯にはまだ早く、だが小腹が空いてはいる。 軽く食べようということになり、イートインスペースに入ってみることにした。 「何にいたしましょう……。 沢山ありすぎて迷ってしまいます」 メニューを見ても目移りしてしまって決めかねる咲良を、守弥がショーケースの方へ誘う。 「こっちにサンプルがあるから、見てみるといい」 「さんぷる……?これは……?」 「蝋燭やプラスチックで作ったものだ。 出来上がりの様子や大きさがわかる」 「まぁ……っ! これは見本なのですか?なんて美味しそうなのでしょう……っ!」 饂飩や蕎麦なら分かるが、他は見当もつかない。 そんななか……。 「あの白くて不思議なものは何でございますか?」 「ん?」 「三角の……白くて不思議な……」 「あ、あれか。 あれはソフトクリームだ」 「そふと……くりいむ……?」 「ばばも食べたいねぇ」 小首をかしげる咲良の手を引き、守弥とばあ様はアイスクリーム屋に向かった。

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