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迎えに行ったときに感じた甘い甘い香り。 もしやあれは……。 「……もしかして、あれはプリンの香りか」 「ふあ?」 「姫乞いの儀式の時に、やけに甘い香りがすると思ったんだが」 「………………っ? あっ、はっ、はいっ。 此方に来るまで、暫くぷりんをこさえておりました。 此方の世界にもぷりんがあるのですね?」 「ああ」 プリンの存在を知っているのに、車には乗ったことがないという咲良。 風呂に至っては、シャワーを知らなかった。 次元が違うからか、それとも時代にズレがあるのか。 守弥は困惑を隠せないでいる。 「咲良はどんなプリンを作るのかねぇ。 ばばは食べてみたいよ」 「よろしいのでございますか?」 「ああ。ここで材料を見繕えるようなら、買っていこうかね」 「まぁ……っ、嬉しゅうございます! 普通の大きさのぷりんと、あまあまトロトロ理性飛び飛びのばけつぷりんカラメルソース増量と、どちらにいたしましょう……っ!」 「「もちろん、両方で」」 ばあ様と守弥が見事にハモった。

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