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永遠の溺愛

婚礼と石庭での披露宴を無事に終え、守弥の両親やきょうだい達が外宮へと帰っていった。 ばあ様も一緒に行こうとしたのだが、守弥が軽く待ったをかけた。 「んん?どうしたんだい? 早く二人っきりになりたいんじゃ…?」 「俺はそうなんだが、いきなり二人っきりになると咲良が動揺しそうな気がする」 「あ、………」 確かに。 本殿でお供えとお神酒で酒盛りをしようとしていた付喪神や式神も手を止める。 「あー…、何か分かるわそれ…」 「緊張してカチコチになりそ」 「緊張しいだもんな…」 「それもそうですね…」 早く二人っきりにしてやろうと気を利かせる算段をしていたのだが。 肝心の咲良がカチコチになっては意味が無い。 囲炉裏の間で晩御飯と相成った。 髢を外し、千早や白衣を脱いで普段の服に着替えた咲良は、いつもの面々に囲まれて幾分落ち着いた様子だ。 『守弥の言う通りだったねぇ。 りらっくすしてて、ほんわかしてる』 『ああ』 緊張から解き放たれて穏やかに笑んでいるのが嬉しい。 守弥とばあ様はホウッと息をつく。 「式の間の咲良、かんわいかったのう。 もう、爆萌えじゃったわ」 「なー。お面取ったら、めちゃくちゃエロ可愛くなっとったし」 「時雨達、み~んな鼻血堪えてたのう」 「うんうん」 付喪神達が思い返してウットリしている。 「さくらが倍増しで可愛らしくなってて、ばばもビックリしたよ。 お役目を放り出して激写しそうだったし」 「分かる。分かるわ…」 「雲外鏡のとっつぁんなんか、キュンキュンしとったよな」 「わしだけじゃないじゃろ。 み~~~んな、キュンキュン滾っとった」 「たしかに」 「皆、キュンキュン爆萌えじゃった」 「そな…、わたくしは…何も…」 緊張しまくったのと守弥が好き過ぎて胸がいっぱいになっていた事で、自分がどうなっていたのかは全く分からない。 咲良はひたすら恐縮している。 「そういうとこも可愛らしいんだよ」 「んだんだ」 「えう…」 照れて俯くところもまた良い…。 守弥が頭をポンポンとしてやると、唇をキュッとさせて瞼を閉じる。 「やっぱりかんわいいわ」 「んだんだ」 「こうやってウブなところがな」 「たまんないのよ」 「それな」 照れて俯いている咲良を、皆がニコニコしながら見守っている。 なんとも微笑ましいひとときであった。

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