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第2話

簡潔に述べよう。僕、一青 夏乃(ヒトト ナツノ)は1年の後期から生徒会庶務という形で生徒会入りを果たした。 生徒会のメンバーは最初に持った印象の通り、会長は横暴だし、副会長は冷酷だし、会計はチャラ男だし、書記は喋らない。 それでもこの人達が選ばれるだけあってみんな優秀な人ばかりで頼れる先輩だった。 「一青、これコピーお願い。あと、この書類を30日までに纏めといて。」 30日と言ったらあと、5日もある。余裕で終わる。会計先輩は急な仕事の要請はしないのが好きだ。 会長はたまに明日までと言って大量の書類を渡してくる。だけど、後になって副会長が笑いながら手伝ってくれる。 まぁ、この前聞いた話だと、会長は僕が心配で副会長を僕の方に回したらしい。真実かは分からないけど、それでも会長のことだから本当の話だろう。 「一青…、お茶。」 庶務はどちらかと言うと雑用係だけど、それでもその雑用を無言で手伝ってくれる人もいる。 「手伝う。」 こんな風に、書記先輩が手の空いた時にトコトコとこちらに近寄ってきて、僕を手伝ってくれる。みんなそれぞれいい人で、やはり憧れの対象だった。 それが崩れ始めたのはいつ頃だったか。いや、きっと僕は知っている。何が原因で、いつこの狂おしくも哀しみの気持ちで一杯になったのかも。 全て、巻き起こしたのは彼だった。 転校生であり、会長たちの友人でもある二階堂 萌斗(ニカイドウ モエト)。 俺は彼奴が、彼奴らが憎い。

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