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9月 part 1-4

「…そういえば、拓叶さん。2月の店内コンペって、具体的に何をやるんですか?」 七星の言葉に、オレは思わず、口にしていたカクテルを吹き出す。…もったいない!せっかくの山本さんのマンハッタンが! 「おまえ…知らないで毎晩、俺に付き合って特訓してたのかよ!?」 「だって僕、まだ入店して3ヶ月ですよ?」 …そうだった。すっかり忘れてた。 俺は、指を折りながら説明する。 「店内コンペの課題は3つ。 1、スタンダードカクテル作成。 店のメニューの中から、オーナーが指定したものを作る。どのカクテルなのかは当日にならないと分からない。 2、創作カクテル。 オリジナルカクテルを、オーナーの目の前で作って試飲してもらう。公式の大会と違って、再現性があれば、縛りはあんまりない。 3、独立後の構想。 企画書をA4一枚にまとめ、独立した後、どんなバーにしたいか、オーナーにプレゼンするんだ。説明するときには、パソコンとプロジェクター使ってもいいし、もちろん口頭でもいい。 今日、山本さんに無理を言って、ここにお邪魔させてもらってるのは、カクテルの勉強のためでもあるけど、独立後の構想を練るためでもあるんだよ」 「へー」 へー、って。いや、おまえも5ヶ月後、店内コンペ参加するんだろ。おまえも準備しないといけないんだぞ。どんだけ呑気なんだ、七星のやつ。

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