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第4話-1
「竜ちゃんってバカだよね」
「…あ?りょーちん、なんか言った?」
大学の学食の机で突っ伏すオレに、りょーちんが何か言った気がした。聞き返すオレに、りょーちんは笑顔を向ける。
「ううん。昨日のデートは大変だったね、竜ちゃん」
もう分からねえ。どうすれば瀬戸から、「別れよう」を引き出すことができるのか。あいつが、あそこまでどMだとは思わなかった。
「…ね、竜ちゃん。いつの時代も、カップルや夫婦が決別する理由ベストスリーに、必ず入る方法があるんだけど。…知りたくない?」
りょーちんの言葉に、オレはガバッと顔を上げる。
「マジ、そんな方法あんの!?どんな!?」
「それはね…」
りょーちんは、にっこり笑って言う。
「浮気、だよ」
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