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第5話-2

いきなり、りょーちんに頭を抱えられる。一瞬のことで訳わかんなかったけど… …なんか唇に当たった? なんか柔らかいものが。これってまさか… りょーちんの唇!? 「てんめぇ…」 「ああ、もしかしてキスもまだだったの?先を越しちゃった?ごめんねー、瀬・戸・く・ん。 あ、そろそろ授業の時間だ。僕ら心理学部と、竜ちゃんたち教育学部は、一緒に受ける授業けっこうあるんだよ。教育心理学とかね。 ああ、瀬戸くんたち経済学部って、ほとんどそーゆうのないんだっけ。ごっめんねー、瀬戸くん。 じゃ、行こっか。授業に遅れちゃうよ、竜ちゃん」 オレの腕をひっぱっていく、りょーちん。 後ろから痛いほど感じる鋭い視線。 頭の中を、たくさんのクエスチョンマークが行き交う。 …頼むから、オレを置いて、話を進めていかないで…

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