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第6話-1
「なあなあ竜ちゃーん!サッカーやろうぜー!」
「もー、こうたくん!ちゃんと先生ってつけなきゃダメなんだよ!竜先生っていわなきゃ!」
小学校3年生のこうたくん、1年生のゆきちゃん。ああ、小学生っていいなあ。
…あ、別に変な性癖持ってるとかじゃねえからな!
毎週土曜日は、オレは大学近くの小学校へ行く。
小学校に併設されてる育成クラブ。仕事などで、おうちの人が忙しい子どもたちを預かる場所だ。そこで、ボランティアとして、子どもたちと遊ぶ。
ここの育成クラブの職員は、40代、50代のおばちゃん数人だ。さすがに子どもたちと本気で鬼ごっこをしたりはできない。だから、体力を必要とする遊びを一緒にしてあげると喜ばれる。
ここだけがオレの癒しだ。
大学では、瀬戸とりょーちんがバチバチ火花を散らしてる。瀬戸には睨まれ、りょーちんには逆らえず、もうオレはどうしたらいいのか分からない。
ああ、全てが子どもたちとの鬼ごっこのように、単純だったらいいのに。
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