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第7話-1
目の前で揺れるキャンドル。
なぜか壁は黒板になっていて、おすすめパスタなどのメニュー名や、野菜などのイラストが書いてある。
アンティークな木製のテーブル。
目の前にある、『南イタリア産トマトとモッツァレラチーズのペペロンチーノ風パスタ』とかいう、舌を噛みそうな名前の料理。
いつも使う定食屋とは全然違う雰囲気の、パスタ屋さん。
そして、目の前でパスタを食べてる、りょーちん。
てゆうか、まわりカップルだらけじゃねえか。男同士で食いに来てるやつなんていねーぞ。
「いやいや、僕らもカップルだからね、竜ちゃん」
にっこり笑って言うりょーちん。
え、今、オレの心の声、読まれた!?やっぱ怖え…
「あ、竜ちゃん。口のまわりにソース付いてるよ?もー、しょーがないんだから」
人差し指でオレの口元を拭い、そのまま自分の口へと運ぶ。
「あ、竜ちゃんが頼んだのも、けっこう美味しいねー」
自分の人差し指を咥えたまま、オレを見て笑う。りょーちんが注文した、オイル系パスタのソースが、りょーちんの唇の上でグロスみたいに光ってる。
…なんで目を逸らしちゃったんだ、オレ。おかしいだろ。
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